2019年7月19日(金)

京急脱線、崩壊斜面は「緊急対策不要」扱いだった

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2012/10/13付
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神奈川県横須賀市で斜面から崩落した土砂に列車が突入した事故で、豪雨によって崩れ落ちた斜面は、京浜急行電鉄が2011年4月に実施した健全度判定で「緊急対策不要」と判断されていた。事故を受け、国土交通省は全国の鉄道事業者に対して斜面付近での運転規制の見直しを求める通達を出した。

脱線した車両。奥に見える車両が1両目で手前が2両目。9月26日午前9時15分撮影(写真:京浜急行電鉄)

脱線した車両。奥に見える車両が1両目で手前が2両目。9月26日午前9時15分撮影(写真:京浜急行電鉄)

事故は、2012年9月24日午後11時58分ごろ、神奈川県横須賀市追浜町1丁目の京急線の追浜駅から京急田浦駅方向に約600m離れた追浜第5踏切付近で発生した。線路沿いの斜面が幅約10m、高さ約15mにわたって崩落。8両編成の下り特急列車がトンネル手前に崩れ落ちていた土砂に乗り上げ、先頭から3両目までが脱線してトンネル内で止まった。

■県内の4割の土砂崩れが集中

横浜地方気象台は同日午後11時24分、神奈川県に対して「記録的短時間大雨情報」を発表していた。横須賀市付近では、午後11時までの1時間に約100mmの豪雨があったとみられる。午後10時25分には同市に対する土砂災害警戒情報を県と共同で発表していた。

事故が発生した横須賀市は、小高い丘が連なる地形で、急斜面が多く土砂崩れも多い。

神奈川県県土整備局河川下水道部砂防海岸課によると、1974~2011年度までの間に市内で1359件の土砂崩れが発生している。同期間に発生した県内の土砂崩れ件数の約4割を占める。自治体別の件数でも県内で最多だ。

県は、今回の崩落斜面を「土砂災害警戒区域」に指定していた。警戒区域に指定されると、市町村が避難体制を整備し、住民に周知するなどのソフト面の対策を施さなければならない。しかし、斜面防護などのハード面の整備は所有者の判断となる。

京急線沿線では、1997年にも今回の現場から南に約2km離れた横須賀市田浦大作町の京急田浦―安針塚駅間にある斜面で土砂崩れが発生。4両編成の車両が土砂に乗り上げ、先頭から3両が脱線する事故が起きている。

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