中国スマホゲーム、5億ユーザー巡り大争奪戦へ
ジャーナリスト 新 清士

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2013/12/17 7:00
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スマートフォン(スマホ)の普及が加速している中国で、スマホ向けゲーム市場が立ち上がりつつある。今後の成長を見込んで300社余りが続々と参入し、インターネット上に自社アプリの流通システムを構築しようと激しく競い合っている。中国のパソコン向けゲーム市場はネットサービス大手の騰訊控股(テンセント、広東省)の1強状態に対し、市場形成が始まったばかりのスマホゲームはまさに玉石混交だ。混戦模様の成長市場に日本企業は食い込めるのだろうか。

■独占企業なく300社以上がひしめく

中国で人気が高いテンセントのスマホゲーム公式ページ

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中国のゲーム市場はこれまでパソコン向けオンラインゲームを中心に拡大してきた。中でも全土に12万軒存在するインターネットカフェ向けに配信されるオンラインゲームが市場のけん引役だった。

調査会社エンフォデスクによると、中国のパソコン向けオンラインゲームの市場規模は2012年7~12月は291億元(約4656億円、1元=16円で計算)、13年1~6月は334億元(約5344億円)。停滞が目立つ日本や欧米のゲーム市場と対照的に順調に成長を続けており、市場規模は1兆円の大台も視野に入ってきた。企業別シェアは最大手のテンセントが57%を占め、2位のネットイースは13%、3位以下はいずれも10%以下と他社を圧倒している。

ところが、スマホゲーム市場は状況がまるで違う。市場規模は12年7~12月が30億元(480億円)、13年1~6月が50億元(800億円)とパソコン向けゲームに比べ金額はまだまだ小さいが、成長ペースは速い。エンフォデスクが11月11日に発表した13年7~9月のデータを見ると、シェア1位はテンセントで15.5%。2位のロコジョイは6.1%、3位のプレイクラブは4.6%と続く。

テンセントは自社のパソコンゲームユーザーをスマホゲームにも取り込もうとしているが、大きなシェアを確保できていない。シェア1%以下の企業が全体の46.2%を占めるなど、市場には約300社がひしめいている。パソコンゲームにおけるテンセントのように市場を独占する企業がないため、ゲーム関係者にとってスマホゲーム市場は魅力的に映り、参入企業が相次いでいるのだ。

■低価格スマホの登場で普及加速

スマホゲーム市場が活況な背景には、スマホの低価格化が進んで普及が加速していることがある。調査会社IDCによると、中国のスマホ出荷台数は13年に3億6000万台に達する見込み。14年にはさらに25%増の4億5000万台に拡大すると予測している。既存ユーザーを含めるとスマホ利用者数が5億を超えるのは時間の問題だろう。

特に1000~2000元(1万6000~3万2000円)という低価格スマホの登場で、中・低所得層にも一気に広がり始めている。端末の製造コストが下がり、性能は1~2年前に日本で販売されていたスマホとあまり変わらない。スマホユーザーの増加に伴い、スマホゲームの利用者も増えているのだ。

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