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一生ヒラ、バリバリ出世? 自分の将来考えよう

日経ウーマンオンライン
終身雇用制度が崩れ始め、誰もが「自分らしい働き方」を模索する時代がやってきました。私たちの働き方はこれからどのように変わっていくのでしょうか? リクルートキャリア特別研究員の海老原嗣生さんに働き方の未来予測について、話をお聞きしました。

20代、30代の女性にメッセージを送るとしたら、「今の仕事をがんばりなさい」とお伝えしたいですね。女性が働き続けることの難しさや課題、問題点などやそれに対する私の見解は拙著『女子のキャリア』に詳しく書いてありますからご興味のある方はぜひ手にとってみてください。まじめな女性ほど、「今の職場で課長なんて私には無理」「これから私のキャリアはどうなるの?」と不安を抱えて毎日過ごしている方も多いと思います。目の前の仕事に真摯に取り組んでいれば、一生ヒラ社員かもしれないけれど、それなりの市場価値もつきますし、それなりの年収を得て、仕事とプライベートのバランスも取れる働き方が生まれつつあります。逆に課長で高年収だとその分、扱いに困り、そして、実務離れしているので転職にも弱くなります。

事務や営業の仕事は、新入社員でも「できる」という評価を得たり、MVPを獲得したりする人がいます。スキルという意味では1、2年で身につくのでしょうが、やはり一つの職種を極め指導や差配などできるようになるには、10年はかかると思いますね。

例えば経理の仕事の場合、日々の出納業務だけなら2年もたてばそれなりにできるようになるでしょう。ところが決算業務まで経験するようになると、「会計上、この記載の仕方だと問題だ」などと細部まで注意を向けることができるようになり、上司の一言で報告書を作り直したり、体調不良者が出てその業務を肩代わりしたりといったイレギュラーな状況を乗り越える力を身につけるようになっていきます。

ありたいキャリアのカタチを考えよう

こうした「耐える力」「チーム力」はミドルスペシャリストにとって必須の力であり、こうした力を蓄えた人にとっては相応のインセンティブがついてきます。

「30代で年収600万円台でヒラ社員」という生き方ができはじめた今、自分は出世をしたいタイプなのか、一生ヒラ社員でいいのか、自分のありたいキャリアパスを考え直してみるといいでしょう。結婚されている方はご主人とのキャリアのバランスもありますよね。夫はヒラ社員コースで、あなたが出世を目指すということでもいいでしょうし、お互い一生ヒラ社員でもいいけれど年収600万円ずつ稼いでこようというモデルだっていいでしょう。

お互いに年収500万円~600万円くらいを目指す選択が一番楽しいかもしれませんね。長時間の残業やストレスのかかる部下の育成・管理とは無縁の生活です。

ヨーロッパだってアメリカだって「ワークライフバランス」というのは一生ヒラ社員の方たちの概念です。エグゼクティブ層は欧米でも長時間労働をしています。その代わり高収入を得ているのです。誰もが管理職になりたいわけではないし、目指す必要もない。あなたは、どんなキャリアを歩んでいきたいですか? ぜひ改めて考えてみてください。

この人に話を聞きました

海老原嗣生さん
リクルートキャリア特別研究員。大手メーカーを経てリクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。人事制度設計などに関わった後、リクルートワークス研究所へ出向し、「Works」編集長に。現在、(株)ニッチモ代表取締役。人事・経営誌「HRmics」編集長。主な著書に『雇用の常識 決着版「本当に見えるウソ」』『女子のキャリア』(いずれも筑摩書房)などがある。

(ライター 田中美和)

[nikkei WOMAN Online 2014年5月7日付記事を基に再構成]

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