担い手は「草の根」に、官製クールジャパンの死角
クールジャパンの実像(3)

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2013/6/13 7:00
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初音ミクのコスプレでパーティーにも参加していた「泉水しん」は、TOMが「スペシャルクリエーター」に認定する人気クリエーターの一人。国内でも著名なコスプレーヤーで、初音ミクからアニメ「セーラームーン」やゲーム「戦国BASARA」のキャラクターまで、作風は幅広い。

TOMのフェイスブックページでコスプレーヤー「泉水しん」を紹介した記事には2万5800人から「いいね!」が付いた

TOMのフェイスブックページでコスプレーヤー「泉水しん」を紹介した記事には2万5800人から「いいね!」が付いた

TOMの自前サイト、otakumode.com内の泉水のページには、数十点の「作品」が並ぶ。5月28日、TOMのスタッフが泉水のコスプレ写真をFBページの方で紹介したところ、2万5800人から「いいね!」が付いた。人気の彼女は、なぜTOMでの活動を始めたのか。

■「外国の方は偏見なく、認めてくれる」

「基本は日本より、海外(志向)ですね」と話す泉水は、「両親がオタクで小さい頃からもっと日本のコスプレを外国人に見てほしいって思ってた」。TOMは日々、ウェブを巡回し、質の高いクリエーターを見つけては、参加を呼びかけている。泉水もその一人。彼女にとっては渡りに船だった。

TOMのパーティーに初音ミクのコスプレで参加した泉水。「常に世界の目を気にしながら動きたい」

TOMのパーティーに初音ミクのコスプレで参加した泉水。「常に世界の目を気にしながら動きたい」

「常に世界の目を気にしながら動きたい。TOMさんはそれをかなえてくれる場所なので、すごく有り難いですね。実際に(海外からの)反響は大きかった。特にTOMさんには、コスプレーヤーだけじゃなくいろんなクリエーターがいて、幅広い方が見ているので、自分が思ってる視点じゃないところからの反響がくる。とても勉強になります」

コスプレーヤーの「中のネネ」もTOMで活躍する一人。外国人に向けて直接、情報発信できる喜びを、こう語る。「日本人ってコスプレへの偏見がちょっとだけまだありまして。でも外国の方は偏見なく、率直にいいものはいいといってくれる。『君、アメイジングだよ』って。個人でもクリエーティブなところをちゃんと認めてくれるんだなって思えて、すごくうれしいんです」

「もっと海外に」。コンテンツの作り手でありながら、海外に文化を広める「広報大使」も担うクリエーターは多い。ただ、そうした面々は、これまで手弁当で活動してきたのが実態だ。

「桜エキシビション 2013」にエントリーした作品の一部

「桜エキシビション 2013」にエントリーした作品の一部

■海外展覧会を続けるイラストレーターの有志

イラストレーターの「彩」と「オオタニヨシミ」は、仲間とともに、日本のイラストレーターの作品展覧会「桜エキシビション」を2009年から海外で開いてきた。出展作品を一般のイラストレーターから募る公募展。回を重ねるごとに開催国・開催都市も増え、193人245作品がエントリーした5年目の今年は、6カ国6都市8会場での開催が予定されている。すでに4月、米ロサンゼルスで開催したほか、今秋までにポルトガルやベトナムなどでもイラストを飾るという。

この取り組みの運営資金は1点1万8000円の参加費と、主催者の一人である彩のポケットマネー。要するにクリエーターが自腹で個展を開いているようなものだ。なぜ、そこまでするのか。

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