2019年9月17日(火)

担い手は「草の根」に、官製クールジャパンの死角
クールジャパンの実像(3)

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2013/6/13 7:00
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 「オタク」文化を支えるコンテンツの作り手、クリエーターたちが、自ら海外への情報発信力を高めようと草の根で奮闘している。ビジネスではなく個人の活動。手弁当で海外展示会を続ける者もいる。そうした個の活動を、世界で1200万人以上の「ファン」を抱える情報サイトが支えている。一方、本格始動した政府のクールジャパン戦略は、担い手不在のまま、ぶれた戦略を実行しつつある。クリエーターの視線から、官製クールジャパンの死角を追った。(文中敬称略)

5月18日、東京・虎ノ門。ここで、一風変わった招待制のパーティーが開かれていた。

60人ほどの参加者がいる会場で目立つのはアニメキャラクターなどを装う「コスプレーヤー」。バーチャルアイドル「初音ミク」のコスプレ姿もいる。アニメ関連のイベントであればカメラの放列が群がるのだが、そうした風景はない。名刺や自作の写真集などを差し出し、和やかに談笑する参加者。ビジネスシーンでよくある交流会にも見える。

Tokyo Otaku Mode(TOM=トーキョーオタクモード)主催のパーティー。クリエーターが集結した

Tokyo Otaku Mode(TOM=トーキョーオタクモード)主催のパーティー。クリエーターが集結した

パーティーを主催していたのは、オタク文化の情報サイトを運営する、Tokyo Otaku Mode(TOM=トーキョーオタクモード)。招待者はオタク文化にかかわるトップレベルのクリエーターばかりだ。

■「スタークリエーター」を生む自前サイト

TOMは2011年3月から、「Facebook(フェイスブック、FB)」上のFBページでオタク文化の情報を外国人向けに提供し始めた。アニメやマンガ、初音ミク、コスプレと外国人が喜ぶ最新情報を日々、収集しては英語で投稿。オタク関連情報を欲する外国人のあいだで一気に有名となった。ファン(購読者)数は1263万人(6月12日時点)と、日本人が運営するFBページで最多。クールジャパンの伝道師的な存在だ。

「otakumode.com」の画面。コスプレやイラストの画像が多い

「otakumode.com」の画面。コスプレやイラストの画像が多い

12年7月には自前の情報サイト「otakumode.com」も立ち上げた。こちらは、オタク文化を支える末端のクリエーターが主役。SNS(交流サイト)の機能も持ち、クリエーターなら誰でもいつでも写真やイラストなどの画像を投稿できる。一般ユーザーは気に入ったクリエーターを「フォロー」したり、「いいね!」に代わる「SUKI」ボタンでクリエーターを応援したりできる。

この自前サイトが今、次々と日本人の「スタークリエーター」を生み出している。TOMのスタッフが強大なメディア力を有するFBページで随時、日本人クリエーターたちの作品を紹介しているからだ。人気が高いのが、コスプレやイラストの画像。冒頭のパーティーは、この自前サイトで活躍する人気クリエーターばかりを招待したものだ。

■「もっと日本のコスプレを外国人に見てほしい」

TOMの創業者で最高経営責任者(CEO)の亀井智英はいう。「優秀なクリエーターであっても、なかなか海外に出るきっかけがない。個人だと難しい。僕たちは、そこを支援したかった」

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