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前例破りモバイルに集中 インテルCEOが講演で訴えたこと

ITジャーナリスト 小池良次

家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」初日(10日)午後の基調講演には米インテルのポール・オッテリーニ最高経営責任者(CEO)が登壇。モバイル分野に絞って同社の戦略を解説した。今回のCESではインテル製CPUを搭載するスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を発表したこともあって、次世代市場を強く意識した内容となった。

インテル推奨スマホは中国で発売

「携帯電話の進化はめざましく、最近のスマホは1969年ころに米航空宇宙局(NASA)全体で使っていたコンピューターの性能をしのぐほどになっている」「11年には4億台を超える携帯端末が市場を盛り上げた」――。

オッテリーニCEOはまずスマホの高機能化と急速な普及を指摘した。「(スマホの)通話利用は全体の1割にすぎず、ほとんどの時間はメールやチャット、ウェブなどコンピューターとして使われている」と携帯電話でコンピューティング・パワーの重要性が高まっていることを強調。引き続きインテルの推奨アーキテクチャを採用した初のスマホを発表した。

携帯電話のCPUでは現在、ARM系チップが主流となっている。パソコンやサーバーなど高機能チップを追求してきたインテルは、数年前に省電力・高機能のアトム(Atom)シリーズを発表。低価格ノートブックやネットブックでは一定の成功を収めてきたが、携帯電話ではあまり成果をあげられなかった。中国レノボ・グループの「Lenovo K800 Smartphone」を、インテルの携帯市場攻略を象徴する製品として取り上げた。

オッテリーニCEOは、レノボのリュウ・ジン上級副社長とともに、長時間駆動や高精細ディスプレーなどK800の特徴をアピール。同端末を12年第2四半期に中国聯合網絡通信集団(チャイナユニコム)から発売すると予告した。

続けてモトローラ・モビリティーのサンジェイ・ジャ会長兼CEOと、携帯電話/タブレット分野での提携契約を結んだと発表した。モトローラは12年夏ころにインテル製チップを使ったスマホを発売するという。

ウルトラブックで新市場開拓を狙う

講演の後半は、各社から製品の本格出荷が始まったスリムタイプのノートパソコン規格「Ultrabook(ウルトラブック)」を解説した。ウルトラブックシリーズは、低価格化が進むノートブックや伸び悩みを見せるネットブックに代わって新たな薄型軽量パソコン市場を開拓すると期待されており、メーカー各社が製品化に力を入れている。

講演で米デルのジェフ・クラーク副会長と紹介したのは、ウルトラブックシリーズの「XPS-13」。ディスプレー周りに堅ろうなアルミを、本体部分にはカーボンファイバーをそれぞれ採用し、約3ポンド(1.3kg程度)という軽量化を図っている。13.3インチの画面を持ちながら、液晶周辺の枠部分を小さくしたことで11インチ画面並みの小型化を実現した。続けてウルトラブックの高度なグラフィック機能やインテル推奨モデルのスマホと連携する決済サービスなどをデモンストレーションした。

例年のインテルの基調講演では、多様な部署が開発した製品を順番に紹介するパターンが定着していた。今年はそのパターンを破り、オッテリーニCEOはモバイルデバイスに絞って解説した。インテルが同分野の開拓に力を注いでいることを強く印象づけた講演となった。

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