米プライバシー団体、Googleの「Search plus」を批判
米電子プライバシ情報センター(EPIC)は現地時間2012年1月10日、米Googleの検索サービスにおける新たなパーソナル化機能について、プライバシー上の問題があるとする声明を発表した。ユーザーの個人情報にさらに簡単にアクセスできるようになると批判している。
Googleは同日、Google検索でよりパーソナルな検索結果を得られる「Search plus Your World」を発表した。Googleの独自SNS「Google+」と密に連携し、Google+内で共有されている写真や投稿を検索結果に表示するほか、Google+にプロフィールを登録しているユーザーの名前を検索キーワード候補に優先的に提示したり、キーワードに関連するテーマを頻繁に扱っているGoogle+ユーザーやGoogle+ページ(ブランドおよび組織向けページ)を検索結果ページの右側枠内に表示したりする。
EPICは、ユーザーの連絡先は公開されないとはいえ、これまでより個人データにアクセスしやすくなっていると懸念を示した。また、パーソナルな検索結果を非表示に切り替えることはできるが、自身の個人情報をパーソナル検索結果の対象からはずすよう設定することはできない点も指摘した。
Googleに対しては検索市場における独占的地位を乱用しているとの苦情が米国内外であがっており、欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は2010年11月に競争法違反の疑いで正式な調査を開始、米国連邦取引委員会(FTC)も2011年6月に正式調査に乗り出した。また2011年9月には米上院が聴聞会を開いている。
米国のCNET News.comによると、EPIC執行ディレクターのMarc Rotenberg氏は「(Search plus Your Worldは)FTCが調査すべき問題だ」と述べ、FTCに調査を要請することを検討中であることを明らかにした。
2011年夏にGoogleとのリアルタイム検索に関する提携が解消された米Twitterも、Search plus Your Worldを批判している。英Financial Timesによると、Twitterは「特に最新ニュースに関するTwitterユーザーのツイート(コメント)やTwitterアカウントを見つけることが、すべての人々にとって困難になることを懸念している」との声明を出している。
[ITpro 2012年1月12日掲載]