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世界ブランド株で稼ぐサラリーマン

続・個人投資家奮戦記(1)

 長期にわたり低迷する日本株相場。「日本だけでは儲(もう)からない」と腹を決め、海外投資で高リターンを目指す投資家も増えてきた。グローバル市場でニッポンの個人投資家はどのように勝利の果実をもぎ取ろうとしているのか。最近の個人投資家の動きを「目指せ! 脱日本株依存編」として連載で報告する。初回は外国株で稼ぐサラリーマン投資家だ。

東京都在住の個人投資家、木平哲治さん(仮名、37)はコンサルタント会社に勤務。米国や中国への出張が頻繁にある。運用経験は日本株も含め10年超にわたる。金融資産は3000万円で、運用成績も2011年にプラス5%、2012年でトントンと堅調だ。利益を生み出したのは外国株。底値近くで購入し、適切な出口(売却時期)を見極めた。

図1 米主要投信の組み入れ銘柄チェックは欠かさない

米国株は2010~2011年に仕込んできた。リーマン・ショックを経て米国景気の回復傾向が鮮明になってきたと感じた。木平さんがこの間に買ったのは、ビザ、エクソンモービル、ナイキ、ティファニーという世界的にブランド力のある銘柄だ。

2012年6月のある日、木平さんは心の中でこうつぶやいた。「これで売り抜けられた」。保有する米国株のビザ、ナイキ、医療保険のユナイテッドヘルスの3種類で、35%の利益率を確保した。

この時期に米国株を売却したのは、前月の米雇用統計で注目される非農業雇用者数の伸びが振るわなかったため。欧州債務問題、ユーロ危機が深刻化した時期とも重なり、「経済環境を見ると、いったん売っておくのが妥当」と判断した。

「マクロ経済環境を分析するのに加え、海外出張時に景気の動きを肌で感じるのが好き」と木平さんは言う。中国やベトナム、インドに出張すると、繁華街に海外ブランドの店舗が軒を連ね、富裕層の需要を捉えようとしている。「ブランド企業は世界で収益機会が広がる」と実感した。

米国出張でも景気の確認は怠らない。ニューヨーク(NY)~ボストン間の移動手段の1つは、アムトラックの高速鉄道。空席が目立っていれば、乗客が安価なバスに流れたかどうかなどの分析を加える。最近の出張で違和感を覚えたのは、NYの繁華街であるブロードウェーから中東の人々の姿が消えたこと。「米国自身の魅力が下がった可能性がある」と感じた。

図2 木平さんは米国株の売買で着実な利益を確保

景気の変調を感じたらすかさず売りなどのアクションをする。図2のビザやエクソンモービルもそうした判断で売却を決断した。「米国株は世界経済の環境に連動するので、投資しやすい」との感覚を抱く。

銘柄の選別に当たっては、ブランド株で運用する投資信託の組み入れ上位銘柄を参考にする(図1)。その上で、米大手投信の保有比率が低い銘柄を抽出する。「米大手投信の売りのあおりを受けて株価が激しく下がる銘柄は避けたい」と考えるためだ。

米国偏重は危険とも考える木平さん。既に投資している日本株、ヘッジファンドのほか、中国人民元の預金口座を開設。ニュージーランドドル運用にも興味を持っている。

仕事で多忙な毎日を過ごす木平さんだが、最近は「持続的な健康こそ長期の投資成果を得るうえで重要」との思いを強めている。2011年、木平さんは病気で体調を崩し仕事をしばらく休む必要があった。「心・技・体のバランスが人生で大切。運用や仕事の技ばかり磨いて、体の部分をないがしろにしていた」と反省。スポーツクラブで専門指導員の助言を受けるシステムに加入することにした。毎月の費用は1万円ほどかかるものの、長期の人生を考える上で大切な投資だと思っている。

2年前に愛(まな)娘が誕生。長期で健康を維持する必要性を一段と感じるようになった。子どもが生まれると生命保険に加入するケースも多く、固定費もかさみ始める。しかし「家族のために」と資産運用・健康維持に一段と力がこもる。

(日経マネー 南毅)

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