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石炭火力発電向けガスタービンでNOxを低減する燃焼技術

日立製作所と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、石炭ガス化複合発電(EAGLE)のパイロットプラントにおいて、希釈剤を使用せずに窒素酸化物(NOx)排出量を10ppm未満に低減する燃焼技術を開発し、その効果を確認した。次世代石炭火力発電プロジェクトとして開発中の二酸化炭素(CO2)回収機能付き石炭ガス化複合発電(CCS-IGCC)向けガスタービン燃焼器を用いて実現したものだ。

CCS-IGCCは、CO2排出量の大幅な低減が期待されているが、ガス化した石炭を燃焼する過程で発生する大量のNOxを希釈剤によって抑制しようとすると発電効率が低下するという課題があった。日立とNEDOは、水素を含む燃料を安定的に燃焼させるとともに、希釈剤を用いない乾式(ドライ)でNOxの排出量を低減できる「多孔同軸噴流バーナー」を開発した。同バーナーは、燃料の流路と空気などの酸化剤の流路を、同じ方向に噴出するように同心円状に多数配置したもので、燃料と空気を急速に混合し、火炎をバーナーから離れた位置に浮上させて保持することでドライで低NOx化できるという。

燃焼機は、このバーナーを中央に1つ、周囲に6つ配した構造となっている。今回、日立の施設内における石炭ガス化ガスを模擬した試験用燃料を用いた試験に加えて、EAGLEパイロットプラントにおいて、6つの燃焼器(缶)で構成する多缶燃焼器を搭載したガスタービンの実機および石炭ガス化ガスの実物を用いて、希釈剤を使わない新燃焼技術の試験を実施。NOx発生量を環境規制値(70ppm以下)の10ppmに抑えられることを確認したという。

同プロジェクトは、NEDOの「ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト/ゼロエミッション石炭火力基盤技術開発/石炭ガス化発電用高水素濃度対応低NOx技術開発」として進められている。2011年7月には、日立の施設内において、石炭ガス化ガスを模擬した試験用燃料と、単缶燃焼器を用いて試験を実施していた。

(日経ものづくり 吉田勝)

[Tech-On! 2013年4月11日掲載]

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