2018年10月23日(火)

復活なるか、三輪車 手軽さ武器にEV市場攻める

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2012/12/19 7:00
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「三輪車」という言葉から何を連想するだろうか。すぐ思い浮かぶのは小さい子供用の三輪車、年配の人なら昔懐かしい「オート三輪」かもしれない。ピザ好きの人なら宅配用の「三輪スクーター」が頭をよぎったはずだ。

いずれにせよ、三輪車両は現状ではモビリティ(移動手段)として非常にニッチな存在だが、小型・低速の電気自動車(EV)として将来的にメジャーな存在になる可能性が出てきた。

写真1 トヨタ技術会の三輪HV「MINUTE-S」

写真1 トヨタ技術会の三輪HV「MINUTE-S」

その理由は、1.コンパクトで小回りが利く、2.車両価格や維持費が安い、3.環境性能が高い、といった特徴が、「脱ガソリン時代」の地域の足にうってつけ、と評価されているからである。すでに中国山東省の農村地域などでは、三輪車両の低速EVが庶民の足としてごく普通に利用されている。

国土交通省は2012年6月、軽自動車よりも小さい1~2人乗り程度の自動車「超小型モビリティ」の普及を目指して、「超小型モビリティ導入に向けたガイドライン」を公表した。2012年11月には、超小型モビリティの安全性確保を目的として、道路運送車両の保安基準の緩和を活用した認定制度の新設を検討していることを発表した。同省は2012年12月21日まで、認定制度の策定についてパブリックコメントを募集している。

超小型モビリティの新しい車両区分の制定にはまだ時間がかかると見られるが、国内では普及へ向けて本格的に動き始めている。

■1950年代には隆盛

オート三輪に代表される三輪車両は、国内では第2次世界大戦後から1950年代にかけて隆盛を極めた。ところが、道路インフラが整備されて高速走行が当たり前になると、三輪車両がカーブなどで転倒する事故が多発した。

さらに構造上、四輪車両と比べると居住性が劣るという問題も顕在化した。コスト面で四輪車両に対する三輪車両の優位性が薄れた結果、衰退が始まり、やがて量産車両からほとんど姿を消してしまった。

■構造や制御技術の改善で安全性を確保

一度は市場からほぼ駆逐された三輪車両が超小型モビリティとして復活する可能性が出てきたのには、大きく2つの要因がある。一つは、技術の進化によって以前よりも安全性を確保できること、もう一つは一定の制限の下に保安基準が緩和されるからである。

車両の安全性向上に寄与するのは、三輪車両でも四輪車両に近い安定性を確保できる「逆トライク 」と呼ばれる車両構造と、左右の車輪の回転数を最適に制御する技術の登場である。

逆トライクは、従来型の三輪車両の前1輪後2輪ではなく前2輪・後1輪という構成にする車両構造。これによって、カーブでの転倒などの可能性がほぼ無くなる。

逆トライク型の車両については、近年、ベンチャー企業が事業化を試みたり、自動車大手メーカーがコンセプト車を発表したりする例が増加している。例えば、トヨタ自動車の有志技術者の集まりであるトヨタ技術会は、2012年11月に愛知県で開催された「クルマ未来博2012」に「MINUTE-S(ミニット-エス)」を出展した(写真1)。MINUTE-Sは、小型のハイブリッド車(HV)「アクア」が搭載するモーターやバッテリーを、ヤマハ発動機の自動二輪車「WR250R」用エンジン(排気量250cc)と組み合わせた三輪HVである。

写真2 ホンダの三輪EV「Honda 3R-C Concept」

写真2 ホンダの三輪EV「Honda 3R-C Concept」

写真3 米OptaMotiveの三輪EV「E-Rex」

写真3 米OptaMotiveの三輪EV「E-Rex」


ホンダは2010年のジュネーブモーターショーで、1人乗りの三輪EV「HONDA 3R-C Concept」を発表している(写真2)。海外でも、カナダCAMPAGNAの「T-REX」や、米OptaMotiveが開発したEV版T-REXの「E-Rex」、米Aptera Motorsの「Aptera 2」などの開発事例がある(写真3)。

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