黒田アジア開銀総裁「今の仕事に満足」 日銀人事で

アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は11日、都内で日本経済新聞社などのインタビューに応じた。3月中旬に交代する日銀総裁の後任候補と目されていることについて、「(ADB総裁としての)任期が4年近く残っているし、今の仕事に十分満足している」と言及するにとどめた。日銀が2%の物価目標を導入したことは「非常に画期的だ」と評価した。
黒田総裁は「日本経済にとって最大の課題はデフレからの脱却だ」と指摘。安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」については「適切だ」と評価し、支持する姿勢を示した。日本の金融緩和拡大について海外から「近隣窮乏化策」だなどとの批判が出ていることについては「日本がデフレから脱却することは、日本だけでなく、世界経済にとっても正しいことだ」と語った。
日銀総裁人事を巡っては、政府が月内にも国会へ人事案を提示する方向で調整中。安倍首相は「国際金融マフィアになり得る能力も重要だ」として、国際金融に精通していることを人選の条件に掲げる。元財務官で、国際金融分野で世界に幅広い人脈を持つ黒田氏も次期総裁候補のひとりとみなされている。