チェルノブイリ事故対応の経験を福島に ウクライナ環境・天然資源相
編集委員 滝 順一

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2013/6/12 7:00
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ウクライナで環境政策やチェルノブイリ原子力発電所事故の処理などを担当するオレグ・プロスクリャコフ環境・天然資源相が来日し福島県などを訪れた。チェルノブイリ原発周辺の汚染地域の管理を任されるヴォロディミル・ホローシャ・チェルノブイリ立ち入り禁止区域庁長官らも同行し、廃炉や除染から地球温暖化防止のためのグリーン投資など日本との協力に関し、日本政府や福島県などの関係者と話し合った。

■ベテラン技術者が常駐

ウクライナ環境・天然資源相のオレグ・プロスクリャコフ氏

ウクライナ環境・天然資源相のオレグ・プロスクリャコフ氏

――今回の訪日の目的は。

「国際協力機構(JICA)や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と新しいプロジェクトについて話し合うほか、福島第1原発事故で被害を受けた地域を視察し、佐藤雄平知事に会って事故処理と地域の復興に関して意見交換できた。石原伸晃環境相、根本匠復興相とも会った。深海のメタンハイドレートの採取に成功した石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の担当者とも会う。黒海にもメタンハイドレートが存在すると考えられるからだ」

――福島原発と周辺地域を訪れた印象は。

「被害のありさまは私が想像していたより大きい。福島県の早期の復興と避難されている人々が一刻も早く帰還できることを願っている」

「私は日本を訪問したのは今回が初めてだが、ホローシャ長官は福島事故後2回目の訪日になる。彼は事故処理の進展に驚いたという。難題の解決に挑む日本人の能力に感心するとともに、ウクライナは福島の安全のため研究や技術面で協力していきたい」

――具体的にどんな協力を。

「原発事故対応の政府間協定を結んでおり、いくつかの協力が進行中だ。チェルノブイリ原発を運営する会社と東電は事故の経験に関し情報交換するほか、東電の関連企業の人々を現地に受け入れて、放射能汚染区域での作業のやり方などの訓練に協力している。またチェルノブイリ事故対応で指揮をとったベテランの技術者が1人福島に常駐しており、廃炉の進め方などの相談にのっている。ウクライナの研究所が放射能測定器を提供したり、放射性物質を高温のプラズマで除染する技術に関して情報提供したりしている」

――福島第1では地下水が壊れた原子炉建屋に流れ込み、放射性物質で汚れた水が際限もなく生ずることに頭を悩ませています。よい対処法は。

「チェルノブイリでは汚染した施設から水が漏出しないように地下に壁をつくった。報道によると、東電は土壌を凍結させることを検討しているというが、私たちはやったことがない。理論上は効果があるはずだ」

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