2017年12月11日(月)

富士フイルムと静岡がんセンター、AIで画像診断を支援するシステム

2012/4/11付
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 富士フイルムと静岡県立静岡がんセンターは、人工知能(AI)の技術を用いて医師の画像診断をサポートする「類似症例検索システム」の開発に成功した。富士フイルムの医用画像情報システム「SYNAPSE(シナプス)」上で使用する。2012年秋に発売する予定で、同年4月13日からパシフィコ横浜で開催される「国際医用画像総合展(ITEM2012)」でも展示する。

静岡がんセンター 総長の山口建氏

静岡がんセンター 総長の山口建氏

富士フイルム取締役常務執行役員の玉井光一氏

富士フイルム取締役常務執行役員の玉井光一氏

 このシステムは、富士フイルムのAI技術と、静岡がんセンターの持つ約1000例の確定診断のついた豊富な症例データベースを組み合わせて開発した。CT画像の読影を行う際に、病巣をクリックして検索を実施すると、データベースから類似した特徴を持つ症例を瞬時に探しだし、似ている順に複数表示する。今回の製品化にあたって、症例データベースにある画像はがんセンター側ですべて患者側の許可を取得した。

 医師は、表示された画像を参考にして、検査画像と比較しながら診断できる。導入施設単位で蓄積された過去の症例を追加登録して、症例データを充実させることも可能。読影リポートを効率的に作成する機能も持つ。静岡がんセンターの読影実験による検証では、約9割の確率で適切な類似症例が表示され、読影リポートの作成時間も短縮できたという。

画像検索の例

画像検索の例

 富士フイルムと静岡がんセンターは、2005年に契約を締結し共同研究を進めてきたが、今回第1弾の製品化にこぎ着けた。静岡がんセンターの山口建総長は「10人ほどの技術者に、2週間ほど実際に医療現場に入ってもらったりするなど、さまざまな方法で開発を続けてきた」と述懐。同がんセンターが中核的存在となっている「ふじのくに先端医療総合特区」の2つの目的、(1)がんの超早期診断技術の開発、(2)医療機器開発の仕組み作り、に関しても、肺がんの早期発見に役立つ類似症例検索システムの開発成功は大きな影響を持つと説明した。

 富士フイルムの取締役常務執行役員である玉井光一氏は、「価格は500万~1000万円程度になる。まずはSYNAPSEの顧客を対象に販売し、当面は1400施設程度への導入を狙う」と語った。さらに今後は、肺がん以外の疾病への適用、クラウド技術を利用したネットワーク経由でのサービス提供の2点について、さらなる開発を進めていくという。

(デジタルヘルスOnline 本間康裕)

[Tech-On! 2012年4月11日掲載]

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