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女子高生のスマホ使用急増 「ネット知人と会いたい」も高率

トラブルに巻き込まれる危険も デジタルアーツ調査

スマートフォン(スマホ)がこの1年で女子高校生の間に急速に浸透。ネット上で知り合った見知らぬ人に興味を示しやすく、「実際に会ってみたい」と思うこともしばしば――。未成年者向けのネット閲覧フィルタリングソフトを開発するデジタルアーツが10日に公表したアンケート調査で、こんな実態が浮き彫りになった。

同社では、子供たちがさみしさからネット上の知人に対する依存を深め、犯罪などのトラブルに巻き込まれる危険もあるとして、親など周囲の大人が気配りするよう求めている。

デジタルアーツの調査によると、女子高校生のスマートフォンの使用率は、1年前の20.9%から65%へと急増した(デジタルアーツの発表資料から)

スマホ使用率、女子高生はこの1年で2割から6割に

同社は2012年11月に、小・中・高校生の男女618人とその保護者618人を対象に、インターネット上で「未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査」を実施した。同調査は11年11月、12年6月に次いで今回が3回目だ。

10日に発表した調査結果によると、スマホを使っている未成年者の比率は37.4%で、1年前の14.4%から2.6倍に増加。中でも女子高校生は、1年前の調査では20.9%だったが、今回は65%とこの1年で3.1倍に急増し、保護者や男子高校生を上回った。

ネットで知り合った人と「会ってみたい」という比率は、子供全体では32.4%だが、女子高校生は53.1%と突出している(デジタルアーツの発表資料から)

ネットで知り合った人について知っている情報として、女子高校生は「住んでいる地域」(79%)、「年齢・生い立ち・家族構成・家庭環境」(70.4%)、「職業・会社名・学校名」(45.7%)などが男子高校生や小・中学生より有意に高くなった。「ネット上の知人に対して好奇心を示していることの表れ」(デジタルアーツ広報・コーポレートマーケティング課の吉田明子氏)と分析している。

また、ネット上で知り合った人との今後の関係性について「会ってみたい」と答えた比率は、子供全体では32.4%、男子高校生は34.7%だったのに対し、女子高校生は53.1%と突出した。

子供も大人も忙しく、人間関係十分に築けず

ネットを活用して他人と知り合う子供の心理について、調査を監修した東京成徳大学応用心理学部の田村節子教授は「異なる年齢の人からアドバイスを得られる可能性があるため、子供はネットをうまく使いこなしている」とする一方、「大人の買い物依存症やアルコール中毒、ギャンブル中毒と同様に、心の中の不足感を埋め合わせようと、ネット上の知人に依存しようとする場合もある」と指摘する。

そうした心の不足感を生む要因として、子供も大人も忙しいためリアルな空間で密接な関係を築きにくいことが挙げられるという。「大人との関係が密でないと、忙しい合間の時間にネットで他人とつながりやすくなる」(田村教授)。また、他人と接する機会が十分にないと、ささいなメールの文面などで人間関係にずれが生じて傷つくなど、悪い方向へ連鎖的に進む恐れがあるとする。

 田村教授は、特に夜間のネット使用に注意すべきだとする。「家族が寝静まった後の夜遅くは、子供がさびしさを感じたり、誰かとつながっていたいと思ったりしやすい」

東京成徳大学の田村節子教授は「子供が勇気を出して相談した際、大人がきちんと反応できる態勢作りが重要」と説く(10日、東京・千代田)

「ネット知人」会う前に膨らむ理想像

そうした心の不足感が解消されないと、ネット上の知人に対して「自分の希望や理想像を膨らませて、メールから電話、対面と踏み込む危険が増す」(田村教授)ため、保護者や周囲の大人が早い段階で異変を感じ取り対策を取ることが重要だとする。

具体的には、日ごろの接し方と、トラブルが発生したときの対応にそれぞれポイントがある。日ごろの接し方では、子供が大人から大切にされているという実感を得られるようにすることが重要という。「子供は常に保護者や大人を観察しながら育っており、言葉だけでなく表情や態度から自分がどう扱われているかを敏感に感じ取る」(田村教授)

トラブルの発生時には、「子供は周りに相談するのが難しいが、それでも勇気を振り絞って相談しようとする場合がある。そのときに周りの大人が反応を示さないと、それであきらめてしまう」(田村教授)といい、その後の解決が困難になってしまう。このため、周りの大人が話を聞いてあげたり、あらかじめ子供が相談できる窓口を周知しておいたりするなどの対策が欠かせないとする。

トラブル相談先は「友達」が最多、男子高校生は「誰にも相談しない」も

トラブルが発生した際の相談先については、男子高校生、女子高校生とも「友達」が3割超で最多。一方、「誰にも相談しない」は女子高校生で17.5%だったが、男子高校生は30.1%と高くなった。吉田氏は「相談できないようなコンテンツを閲覧していてトラブルに遭っているのでは」とみる。また、「母親」と答えた比率はスマホを持たない子供では41.6%に上ったものの、スマホを持つ子供では16%と半分以下にとどまっており、ネット関連のトラブルを親に話せない実情が浮かび上がった。

なお、同級生などリアルな友人との連絡手段は、男子高校生、女子高校生とも「メール」「電話」に次いで「LINE」「Twitter」「Skype」といったネットサービスが上位にランクインし、ネット経由での交流が高校生の間で浸透していることが改めて示された。特に女子高校生では、「LINE」で連絡を取るとする比率が54.4%と過半数に。「電話」(50.5%)を上回り、「メール」(81.6%)に次ぐ2位を記録した。

ネット上で新たな知り合いができるきっかけとしては、男子高校生は「Twitter」(56%)、「LINE」(40%)、「mixi」(24%)を挙げている。女子高校生は「Twitter」(54.3%)、「mixi」(37%)、「アメーバピグ・アメブロ」(27.2%)の順であった。

(電子報道部 金子寛人)

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