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中国国営テレビ、フジの番組企画を採用

ドラマやバラエティー、中国勢が有望な買い手に

中国国営テレビの中央電視台(CCTV)は19日、フジテレビジョンの企画(フォーマット)に基づくバラエティー番組の放送を始める。CCTVが本格的に外国製の企画を採用するのは初めて。日本を含む外国メディアは従来、盗作などの懸念から中国への番組供給に慎重だった。しかし、ケタ違いの視聴者を抱える中国勢が有望な買い手として急浮上。日本の業界も番組供給で先行する欧米勢を追いかけ始めた。

CCTVが放送するのは、フジテレビの「脳カベ」という企画に基づくバラエティー番組。CCTVはフジテレビのフォーマット販売権を持つ英国の制作会社フリーマントルメディア(FM)から企画を買い、中国の視聴者向けに19日から放送する。

日本発のバラエティー「脳カベ」は視聴者に受け入れられるか?(中国版の模様)

FMの発表によると、CCTVの主力チャンネルで全国放送の「CCTV1」で19日から放送が始まる。毎週日曜日のレギュラー番組として13週に渡り放送。夜の全国ニュースが放送される直前、午後6時過ぎからの絶好の時間帯にお茶の間で流れる。十分な視聴率が取れれば、契約の拡大も期待できる。

中国のテレビ最大手CCTVが事実上初めて外国の企画採用に踏み切った影響は小さくない。ハリウッド系のドラマからバラエティーの企画まで、外国生まれのコンテンツ(情報の内容)への門戸開放に弾みがつきそうだ。所得水準が上がった視聴者のニーズは一段と多様化している。

「脳カベ」はもともと、とんねるずが出演するフジテレビのバラエティー番組で2006年に登場したコーナーのアイデア。迫り来る巨大な壁にくりぬかれた穴の形に合わせてタレントらがポーズを取り、通り抜けられるかを競う内容で笑いを誘った。

「脳カベ」に注目したFMはフジテレビと契約し、海外での販売権を取得。各国で営業活動を展開した結果、英公共放送BBCなどが採用。今では「40カ国以上で放送されている」(FM)という。

FMはCCTVとの契約の詳細を明かさないが、フジテレビはCCTVが支払う対価に応じて、一定の収入を得る仕組みのようだ。「脳カベ」の海外販売でフジテレビがこれまで手にした収入は「億円単位」に上るという。

「すぐパクられる」「人民元の通貨価値が低くて、儲からない」との理由で中国市場に距離を置いてきた日本の放送界。ただ日本の広告市場のマイナス成長が続き、スタンスを変えざるを得ない状況になっている。

中国のテレビ広告収入は09年の全体で676億人民元(約8400億円)と見られ、伸び率は前年比10.9%に達した。勢いの差は大きく、中国の成長力をいかに取り込むかが日本勢の経営課題になりつつある。

欧米勢の作品ではすでに人気番組が育ちつつある(上海のテレビ局が放送する「ゴット・タレント」中国版の場面)

欧米勢は先行して中国市場の開拓に着手し、一定の成果を収めつつある。FMは今回のフジテレビ企画のほか、アマチュアの出演者からスターが生まれる人気番組「ゴット・タレント」中国版などを手がけ、事業を伸ばしつつある。中国版「ゴット・タレント」の視聴率は上海地区で約20%を記録するなど上々の評価を得た。

中国の著作権意識の低さは相変わらずだという。欧米勢はそれでもあえて番組を供給し、巨大な有望市場に足がかりを得ようとしている。広告収入が伸びるに従い、中国のテレビ局は「相応の対価を払うようになってきた」と購買力をつけた中国勢の姿勢の変化を指摘する声も聞かれる。

キー局のフジテレビやTBSなど日本勢も欧米勢に追随する構えだが、営業力に限りがあるのが実情だ。当面は多少の損を承知で中国の業界と関係を築く覚悟も求められそうだ。

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