東急電鉄がベトナムに「沿線開発」輸出
日本の「沿線開発」が海外に輸出される。東京急行電鉄とベトナムの国営デベロッパー、ベカメックスIDC(工業投資開発公社)が同国南部、ホーチミン市近郊のビンズン省で進めている都市開発プロジェクト「TOKYU BINH DUONG GARDEN CITY(東急ビンズン田園都市)」だ。最初の事業となるタワーマンションが2012年11月21日に着工した。「東急多摩田園都市」をはじめとする不動産開発の経験やノウハウを生かす。
タワーマンションの名称は「SORA GARDENS I」。鉄筋コンクリート造、地上24階建てで、総戸数413戸。曲線美を生かした外観デザインと日本流の施工品質をアピールする。空中庭園や壁面緑化を取り入れ、防犯サービスなども充実させる。合計約1500戸のマンション供給を計画する「SORA GARDENS」の3つの街区のうちの1つ。高層マンションにふさわしい「空(そら)」をローマ字で表記して日本らしさを表現した。完成は2014年春の予定だ。



総事業規模は約1000億円
東急ビンズン田園都市は、ビンズン省のビンズン新都市内にベカメックス東急が保有する街区面積約110ha(敷地面積約71ha)に、低中層、高層の住宅や、業務・商業施設を整備するプロジェクト。総事業規模は約1000億円。事業主は、東急電鉄とベカメックスIDCが2012年3月に設立した合弁会社ベカメックス東急だ。東急多摩田園都市の街づくりの実績を評価したベカメックスIDCからオファーがあり、2010年に設立した。

ビンズン省はベトナム最大の都市、ホーチミン市の北部に隣接し、南部の主要経済ゾーンの一角を占める。ビンズン新都市は約1000haの土地に新しい街を建設するもので、2013年に省庁舎が移転してくる予定だ。ビジネスパークや金融センター、国際会議場、商業施設、大学などを整備し、2020年ごろには、12万人が居住して、40万人が働く計画を描く。
マンション建設に先立ち、東急電鉄は6月、ベカメックスIDCとバス事業を中心とした交通システム開発の調査提携で基本覚書を交わしている。不動産開発事業やバス事業などをパッケージで輸出することで、職・住・遊が近接した街づくりを進める。
・所在地:Hung Vuong Boulevard, Binh Duong New City, Hoa Phu ward, Thu Dau Mot City, Binh Duong Province, Vietnam
・用途:住宅、商業施設
・主構造:鉄筋コンクリート造
・階数:地上24階建て
・総戸数:413戸
・発注者:BECAMEX TOKYU(ベカメックス東急)
・設計者:(基本設計)東急設計コンサルタント、(基本設計~実施設計)PTW Architects
・施工者:(基礎工事)BECAMEX BCE(本体工事)未定
・着工時期:(基礎工事)2012年11月(本体工事)2013年3月予定
・竣工時期:2014年春予定
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