ドコモ、スマホ向け料金で「さらなる格安プラン」を示唆
パケット定額料下げ、ライトユーザーの獲得強化
NTTドコモの斉藤武マーケティング統括担当部長は、スマートフォン(スマホ)向けのパケット定額料金について、一般ユーザー向けに月額3000円台~4000円台の料金を検討していることを示唆した。同社が10日に開催した小学生向けスマホの発表会の終了後、日本経済新聞記者の質問に答えた。

同社ではシニア向けスマホで月額2980円のパケット定額サービスを提供しており、同様のプランを2月から小学生向けにも拡大する。しかしそれ以外の一般ユーザー向けプランは最も安いものでも同4935円で、同390~4410円の2段階定額が主流だった従来型携帯電話向けプランに比べ割高感がある。スマホの利用者層がライトユーザーにも広がっていることを受け、割安な料金の設定によりこうした層の取り込みを強化する。
同社は現在、LTEサービス「Xi(クロッシィ)」において、月々のデータ通信量の上限が7ギガバイト(GB)で月額5985円のプランと、上限が3GBで同4935円のプランという2種類のパケット定額サービスを主に提供している。一方、シニア向けスマホの「らくらくスマートフォン」や2月に発売する小学生向けスマホ「スマートフォン for ジュニア」のユーザーには、上限が500メガバイト(MB)で同2980円と割安のプランを用意する。
シニアや小学生向けの割安プランを一般向けに提供する可能性について斉藤氏は「これらのプランは、データ通信量の上限を月間500メガバイトに絞っているほか、(米グーグルのスマホ向けアプリ配布サービスである)『Google Play』に接続しないという前提のもとに提供している。このプランをそのまま一般のスマホに適用するのは難しい」という。

そのうえで斉藤氏は「使用量の少ないユーザーがLTEに移行してくる際には、(現行の月額4935円よりも)もう一段下のプランが考えられる」と語り、割安のパケット定額サービスの展開によりライトユーザーの取り込みを強化したいとの見解を示した。
同社の契約数は2012年12月末時点で6098万件で、うちLTEは867万件。前月末からの1カ月でLTEユーザーが128万件増えるなど、3G(第3世代携帯電話)からLTEへの移行が加速している。小学生がスマホを使う例についても、デジタルアーツの調べによると小学生のスマホ普及率は11年12月に7%だったが、12年7月に15%へ伸びた。ドコモでも「12年の春商戦を境に急増した」(斉藤氏)としており、こうした小学生やシニアをはじめとしたライトユーザーの獲得が急務となっている。
(電子報道部 金子寛人)