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原子力規制委の人選、「見識」重視が多数

クイックVote第91回解説 編集委員 大石格

原子力発電の安全確保のため、9月に発足する政府の原子力規制委員会のメンバーを選ぶに当たり、何が大事なのか。電子版の読者は「見識」重視が多数でした。

原発を監督する新組織を巡っては、政府・民主党が原子力安全・保安院を原子力規制庁に置き換える法案を国会に提出。首相自らが指揮権を発動する仕組みに野党の自民、公明両党が難色を示し、より独立性の高い原子力規制委を置くことになりました。

昨年3月の東日本大震災の際、専門知識に欠ける菅直人首相が指示を乱発したことが東京電力・福島第1原発事故への不適切な対応につながった――。7月5日に国会の事故調査委員会が発表した報告書も指摘しています。

電力会社など原発関連企業と関係の深い人を起用したら、原発推進に軸足を置いて安全対策がなおざりになるのではないか。こうした懸念はもっともですが、原発の日常の運用に詳しくない人に非常時の対策を委ねるのも不安です。

「専門的知識を重視」を選んだ方の主な意見は次の通りです。

○関係のある人を排除したら適任者はいない(60歳代の男性)

○素人を排除すべきだ(30歳代の女性)

○有事に本当に必要なのは実務の経験(20歳代の男性)

などでした。

回答者の内訳
回答総数1047
男性92%
女性8%
20代4%
30代11%
40代19%
50代27%
60代27%
70代9%
80代以上2%

ただ、専門家に期待する声が多数だった一方で、そうした方にも「業界出身者は元の業界に戻らない制約は設けるべきだ」(40歳代の男性)などより厳格なルールを求める声もありました。業界の代弁者を一時的に中立的な機関に出向させてから規制委に送り込み、業界寄りの運営に成功すれば退任後に原発関連企業の重職に迎える――。そんなご都合主義の人事を懸念する人もいるのでしょう。

関連企業と関係のあった人は認めない、との回答をされた読者は原発廃止派が多いようです。

○政治家も学者も全く信用ならない

○無責任な性質の業界にかじ取りは任せられない

(いずれも30歳代の男性)

など厳しいコメントをいただきました。

日本には信用できる人はいないので、外国人を登用すべきだという意見がかなりありましたが、常駐を受け入れる外国人を探すのは簡単ではないでしょう。国際機関に定期的に査察に来てもらうのも一案かもしれません。

委員の人選が国会同意人事であることへの賛否は「好ましくない」が上回りましたが、大きな差ではありませんでした。優れた人材が起用されるように与野党が真剣に話し合うのであれば、そもそも心配する必要がない問題です。

社会保障と税の一体改革を巡る3党合意に見られた現実判断が他の問題でも定着していくのか。これも有権者一人ひとりがしっかり見ていくことが大事でしょう。

野田内閣の支持率は前回の54.8%から急落し、再び40%を割り込みました。消費増税法案の衆院通過で示した「決める政治」効果が早くもはげ落ちた形です。これを再上昇させる「決定力」を次の政治課題でも示せるのか。今後の趨勢はいつ衆院解散に踏み切るのか、など野田佳彦首相の政治判断に大きく影響しそうです。

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