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「日系企業を歓迎する」、バングラデシュ高官が講演

「バングラデシュへの進出は、日系企業がビジネスを強化する助けになるはずだ。我々はいつでも歓迎している」――。2013年10月9日、「ITpro EXPO 2013」の展示会内で開催した「アジアITサミット」にバングラデシュの郵政・通信省事務次官および通信登記庁ジェネラルディレクターを務めるモウラ・ブイヤン氏が登壇し、会場に呼びかけた(

写真1)。講演には、バングラデシュ向けの進出支援などを手掛けるバングラ・ビジネス・パートナーズ(BBP)代表取締役の岡崎透氏も同時に登壇し、同国の魅力を伝えた(写真2)。

まず岡崎氏がバングラデシュのIT(情報技術)産業の魅力について口火を切った。ベトナムの5倍弱、ミャンマーの約14倍という同国の人口密度に触れ、「IT人材を採用しやすい環境だ」と強調する。

バングラデシュ人にはインド人と同じ民族が多く、数学的な思考に強い。イギリス連邦加盟国でもあるため、英語にも堪能だ。BBPは、同国のIT教育大手「ダフォディルグループ」とIT人材養成スクールを運営する合弁会社設立で合意しており、日本にも通用する技術者を育成していくという。

さらに岡崎氏は、「インドは2005~2012年に、賃金が2.4倍に上昇した。バングラデシュの賃金は、実はミャンマーよりも安い」と、高いコスト競争力をアピールした。

ブイヤン氏は、同国が進める「ハイテクパーク」の建設の進捗を説明した。同国は全国7カ所に、ITやハイテク産業の集積地を設けることを計画している。首都ダッカの中心部に位置する、「ジョナタタワー」は既に完成しており、通信設備なども整備されているという。最大の規模になる予定のカリアクールのハイテクパークはダッカ近郊に位置し、東京ドーム20個分の広さ。インドとの国境沿いに位置するジョショールのITパークには「インドからも積極的に企業や人材を誘致したい」と、ブイヤン氏は意気込む。

ブイヤン氏は、ハイテクパークに入居する外資系企業は10年間の法人税免除といった税制優遇を受けられるほか、整ったインフラ設備が利用できることをアピール。「バングラデシュであれば、100%子会社を設立することも可能だ」と、強調した。

岡崎氏は、「バングラデシュは8つの経済特区を設置することで、アパレル産業で世界第2位の地位を手に入れた。今、同じことをIT産業でもやろうとしている」と解説する。その上で、「欧米や韓国は既に注目している。日本だけ出遅れるわけにはいかない」と強調した。

(日経コンピュータ 岡部一詩)

[ITpro 2013年10月10日掲載]

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