被災地「大槌町」から発信する地域メディアの新たな姿 ブロガー 藤代 裕之

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2012/9/11 7:00
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東日本大震災の津波で大被害を受け、地元メディアを失い「情報空白地域」となった岩手県大槌町で、新たな地域メディア「大槌みらい新聞」を立ち上げるプロジェクトが始まった。

8月に発行された「大槌みらい新聞」創刊準備号

8月に発行された「大槌みらい新聞」創刊準備号

地方紙の元記者や学生ボランティアなどによって運営されており、8月15日に創刊準備号の約500部を配布。9月15日には正式に創刊する予定だ。都市部とは異なり高齢者が多い地域で必要とされるメディアとは何かを追求し、新たな地域コミュニティー作りまでも目指している。

■震災後1年半が経過したが…

緑が覆う平地に残る家の土台。震災以前には多くの建物があった町の中心部には、数軒のプレハブがあるのみ。「何もない」まま震災後1年半が経過した被災地、大槌町の現実だ。死者・行方不明者は人口の7.8%に及び、家屋の60%が被害を受けた。現在も人口の35%が仮設住宅で暮らしている。

多くのボランティアが訪れる宮城県石巻市や「奇跡の一本松」で知られる岩手県陸前高田など、震災直後からマスメディアに取り上げられた被災地とは異なり、大槌町の名前を初めて聞く人もいるかもしれない。町長以下の幹部が亡くなり行政が停滞しただけでなく、地元をカバーしていた釜石市に本社を置く岩手東海新聞が休刊になるなど、大槌町の情報発信力は大幅に低下している。

岩手県大槌町の中心部はいまだに緑が覆う

岩手県大槌町の中心部はいまだに緑が覆う

厳しい大槌町の現状を伝えようと、筆者も関わって新たな地域メディアを創るプロジェクトが立ち上がった。町や地元ボランティア団体の協力を得て、被災した大槌北小学校の2階教室に拠点を確保できたのが7月30日。それから約1カ月半で創刊までこぎつけた。

被災地から全国に情報を伝えるために、当初はソーシャルメディアを利用する計画だった。その前に、町の人々に情報を伝えるためには、普段どのような電子機器を持ち、どんなメディアに接触しているかを知る必要があると考え、学生の力を借りて、8月上旬に町民109人を対象に調査した。

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