2019年4月26日(金)

永田町アンプラグド なぜ「野党総裁」は首相になれないのか
永田町アンプラグド

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2012/9/10 17:16
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自民党の谷垣禎一総裁は河野洋平氏に続き、首相になれず、再選への挑戦さえかなわなかった2人目の党首となった。谷垣、河野両氏には首相になれない構造的な理由と、政治家としての問題の2つも共通している。

■「味方つくる努力を怠った」

自民党総裁選への立候補断念を表明し、会見場を後にする谷垣総裁(10日午前、自民党本部)

自民党総裁選への立候補断念を表明し、会見場を後にする谷垣総裁(10日午前、自民党本部)

冷戦の終結後、政権与党であることが存在理由である自民党にとって、野党のトップ争いは議員にとって何の魅力もない。野党に転落した直後の喪失感、脱力感もあいまって、野党代表はそれほどの競争もなくすんなり決まる。与党の時とは違って、予算配分やポストでもめることもそれほどなく、党運営は比較的、円滑に進む。これが過剰な自信につながりやすい。

だが、首相の座が近いとなると、党内の空気は一変する。総裁を狙う実力者だけでなく、周辺の議員も目の色がかわる。谷垣氏も河野氏も「政権を倒した」と野党の実績を強調したが、党内は「全員で勝ち取った成果」「与党の敵失もあった」とみる。野党と与党では、党首選びへの議員の力の入れ方がまるで違うことを、なかなか野党総裁は肌で理解できない。

それだけに、遅まきながら劣勢に追い込まれたと自覚すると、今度は唐突な行動に走る。河野氏は当時の村山富市首相に頼み込んで内閣改造してもらい、党役員人事で最大派閥の三塚派を取り込んだ。谷垣氏も出身派閥を頼った。「脱派閥」で総裁に選ばれていながら、派閥に依存する矛盾だ。

裏返せば、ほかに支持勢力がいないことを意味する。

河野氏は2年間、谷垣氏は3年間にわたった総裁時代、党内各層の議員と親しく懇談したとの話は聞かない。「味方をつくる努力をあまりにも怠っていた」との評は、2人に共通する。ベテランだけでなく、派閥に属しない中堅・若手からも「谷垣氏をなんとしても支持する」との声は聞こえてこなかった。「人柄がよいプリンス」と党の外ではみられていても「実績があるから支持されて当然」との慢心が、党内では反発を買ったといえる。

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