県立高校がiPad導入で模索する「10年先の未来型学習」
ジャーナリスト 石川 温

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2011/11/11 7:00
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学校や自治体によっては携帯電話の所有を認めないだけでなく、学校への持ち込みを禁止するところもある。袖ケ浦高校は生徒を信頼し、ルールの運用も任せているのだ。

顕微鏡の接眼レンズにiPad2のカメラレンズを当てて写真を撮影する

顕微鏡の接眼レンズにiPad2のカメラレンズを当てて写真を撮影する

生徒は校内では自由にiPad2を使っていい環境にある。授業中は自主的なルールによりゲームをしないが、休み時間は許されているという。「iPad2が届いた時は休み時間に遊んでいたようだが、最近は落ち着いてきている。授業に問題が出るような使い方はしていない」(永野教諭)。

■iPadが生徒に能動的な勉強を促す

生物の授業のようにメインに使わないときにでも、生徒の机の上にはiPad2が置かれている。ちょっとした調べ物をしたり、わからない英単語を辞書アプリで調べたりといった操作も生徒が自由にしていいという。

教員が日常、授業にiPad2を生かそうと知恵を絞る一方で、生徒も積極的にiPad2を使いこなそうとしている。「顕微鏡の接眼レンズにiPad2を当てて撮影するのも生徒のアイデア。漢字や英単語などの学習アプリも生徒が自ら探してくる」(永野教諭)。実際、iPad2を授業に活用することで生徒が積極的に勉強に取り組むようになり、入学以来の学力がクラス全体で向上しているという。

情報コミュニケーション科は「10年先の未来型学習」というテーマに掲げている。永野教諭は「将来はこういう授業スタイルが当たり前になるのではないか」と語る。実際に授業を見ていると、生徒がiPad2を使って勉強するスタイルがあまりに自然すぎて驚いた。

紙の教科書とノート、参考書だけでは受け身の授業になりがちだが、iPad2があると一転して、授業は生徒が能動的かつ積極的に発信するものに変わる。こうした授業を公立高校で実現している様子を見て、「iPad2を片手に授業する」というスタイルが今後、全国に広まることを確信できた。

石川温(いしかわ・つつむ)
 月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著に「グーグルvsアップル ケータイ世界大戦」(技術評論社)など。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226
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