5月8日から米ニューオーリンズで、米国最大の通信関連イベント「CTIA Wireless 2012」が開催されている。高速通信システム「LTE」一色に染まった同イベントで、米国の通信事業者は周波数不足を訴え、将来を切り開くサービスをアピールした。LTEで先行する米国の最先端の動きは、これからLTEでの競争が本格化する日本の通信事業者の未来を映す鏡ともいえる。
■閑散としていたCTIAに活気が戻った理由
CTIAはここ数年、リーマンショックの影響もあって閑散とした印象があったが、今年は盛況だった。会場内を歩いてまず感じたのは、各社ともLTEに力を入れていることだった。業界大手のベライゾン・ワイヤレスとAT&TモビリティーによるLTE競争が過熱していることが背景にある。
メーカー各社もLTE対応端末の展示を展示していた。大手メーカーでは韓国LG電子、台湾HTC、京セラ、中国の華為技術(ファーウェイ)、同ZTEが顔をそろえていたが、それ以外のメーカーもLTE対応端末に力を入れていた。
5月3日にロンドンで新製品「GALAXY S3」を発表した韓国サムスン電子は、CTIA会場内にはブースを設けなかった。それでも報道機関向けにイベントを開催し、米国で新端末のS3をお披露目していた。
今回のCTIAで最も注目すべきイベントは、初日に開催された米4大通信事業者の最高経営責任者(CEO)が一堂に会する「Beyond-LTE」と題した基調講演だった。ベライゾンとAT&Tに加えて、スプリントネクステルとTモバイル USAのCEOが顔をそろえた。