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「核へのノー貫くべきだった」 村上春樹氏がスピーチ

カタルーニャ国際賞授賞式

(更新)

スペイン北東部のカタルーニャ自治州政府は9日、人文科学分野で功績のある人物に贈るカタルーニャ国際賞を作家、村上春樹さん(62)に授与した。バルセロナの自治州政府庁舎での受賞スピーチで村上さんは、東日本大震災と福島第1原子力発電所の事故に触れ、原爆の惨禍を経験した日本人は「核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と述べた。

「非現実的な夢想家として」と題したスピーチで、村上さんは震災後の日本がやがて「復興に向けて立ち上がっていく」と強調。ただ、原発事故は、広島、長崎に原爆を投下された日本にとって「2度目の大きな核の被害」とし、今回は「自らの手で過ちを犯した」との厳しい見方を示した。

村上さんは「効率」優先の考えが過ちの原因とした上で、政府と電力会社が「効率の良い発電システム」である原発を国策として推進した結果、地震国の日本が世界第3の原発大国になったと指摘。原発に疑問を持つ人々は「非現実的な夢想家」として退けられたと批判した。

その上で「われわれは持てる英知を結集し原発に代わるエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった」とし、それが広島、長崎の犠牲者に対する「集合的責任の取り方となったはずだ」と述べた。

村上さんはまた、復興に際し建物や道路と違って簡単に修復できないのは「倫理や規範」だと指摘。「倫理や規範の再生はわれわれ全員の仕事だ」とした。「夢を見ることを恐れてはいけない。『効率』や『便宜』という名前を持つ災厄の犬たちに追いつかせてはならない。われわれは力強い足取りで前に進んでいく『非現実的な夢想家』でなくてはならない」と締めくくった。(バルセロナ=共同)

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