被災地は必ずよみがえる 震災半年、変わる若者(4)

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2011/9/16 7:00
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「草食系」「低温世代」と称され、熱い気持ちを前面に出すことが苦手といわれる20~30代の若者世代。そんな彼らに、東日本大震災は大きな変化をもたらした。

坪倉正治さんの元には、被曝の不安を訴える人が訪れる

坪倉正治さんの元には、被曝の不安を訴える人が訪れる

「先生、この子の被ばく量の値をどう考えればいいのでしょうか」

東日本大震災で事故を起こした福島第1原子力発電所から23キロ離れた福島県南相馬市。この町の病院で非常勤医師を務める東京大学医科学研究所の坪倉正治(29)の元には、子供の放射線による内部被曝(ひばく)を心配する母親がひっきりなしに訪れる。

■「自分がやらなければ」

震災後、月曜から水曜まで南相馬市周辺に滞在し、木曜に医科研に戻る生活を続けてきた。きっかけは、医科研で従事する特任教授の上昌広が発した「被災地で診療できる者はいないだろうか」という一言。即座に「自分がやらなければ」と感じた。

坪倉の専門は、被曝で発症の危険性が高まるとされる白血病の治療にかかわる血液内科。現在の生活は「困っている人が目の前にいて、自分が役に立っている実感がある」。坪倉は東北出身ではない。ただ中学1年の時、住んでいた大阪府で阪神大震災を経験している。

勤務する南相馬病院の病室は230床で、本来は25人の医師が必要だが、「震災直後に常勤医が4人だったのが、ようやく7人に増えたところ」。十分な医療支援もなく、不安におびえる地元の人たちの気持ちを少しでも和らげようと、5~7月に相馬市と南相馬市で開いた市民向けの放射線説明会は30回近くを数えた。

自らも被曝の危険性はゼロではない。けれども被曝医療の分野は「専門的に研究する医師が国内に10人もいない」未踏領域。「新しい分野を切り開いている」という使命も感じる。将来の目標は「原発周辺の浜通り地区の人たちに、自分がいることで助かったと思ってもらえること」。坪倉の挑戦はまだ始まったばかりだ。

草食男子 恋愛やセックスに縁がないわけではないのに積極的ではない。自動車の購入など顕示的消費にも興味を示さない。そんな若者男性が、草食男子、草食系男子と名づけられて注目された。中心世代は30歳前後。バブル崩壊後の経済停滞が、男性の精神構造に影響を与えているとの指摘もある。
低温世代 就職氷河期の洗礼を受け、やっとのことで会社に入っても賃金は上がらず、好況といった浮かれた状況は知らないまま社会人として生活している世代。いくら働いても給料は上がらないので転職して給料を増やしたいという気持ちもあるし、やりたいと思う仕事もあるのだが、やっとの思いで入れた会社だから、失敗したらと思うと思い切って挑戦することもできず、そのまま現在の会社に残っている。
※「現代用語の基礎知識」(自由国民社)より抜粋
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