2018年5月23日(水)

公衆無線LAN、トラフィック迂回から付加価値提供へ
世界モバイル通信事情(2)

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2013/12/25 7:00
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 2013年7月に米スプリント・ネクステル(現スプリント)を買収したソフトバンク。2013年10月にはガンホー・オンライン・エンターテイメントと共同でフィンランドのゲーム会社、さらには携帯電話端末の卸売事業で世界最大規模の米社をそれぞれ傘下に収めると発表した。ソフトバンクに限らず、NTTドコモやKDDIもグローバル展開を強化している。こうした動きの背景にあるのは、国内市場の成熟化だ。各社が海外展開に力を入れるのは自然の流れで、今後はボーダレス化の動きがさらに加速していく。今や、通信業界に携わる人も一般ユーザーも、海外の動向を把握しておくことは不可欠になってきた。連載「世界のモバイル通信事情」では、一般ユーザーになじみが深い「携帯電話端末市場」「公衆無線LAN」「モバイル決済」「モバイルヘルス」という4つの動向について、情報通信総合研究所の研究員が解説する。今回は、「公衆無線LAN」を紹介しよう。
(日経コミュニケーション)

 スマートフォン(スマホ)をはじめとする様々な機器で無線LAN機能の搭載が進み、公衆無線LANの存在感が増してきた。国や地域によって利用状況は様々だが、今やどこでも手軽にインターネットに接続できるようになった。

 現状は携帯電話回線のトラフィックを固定回線などにオフロード(別の回線に迂回させること)する用途が中心だが、今後は施設案内やクーポン配信などの付加価値を提供する手段としても活用が広がりそうだ。

■モバイル端末からのトラフィックが急増

画像1 英O2の公衆無線LANサービスでアクセスポイントの場所を調べた様子。ロンドン市内の半径10マイル(16km)圏内のアクセスポイント数は、2011年12月時点では70カ所程度だったが、2013年9月時点で700カ所以上に増えている

画像1 英O2の公衆無線LANサービスでアクセスポイントの場所を調べた様子。ロンドン市内の半径10マイル(16km)圏内のアクセスポイント数は、2011年12月時点では70カ所程度だったが、2013年9月時点で700カ所以上に増えている

 欧米は早くから公衆無線LANを積極的に展開してきた。従来はノートパソコンを含め、どこでもインターネットに接続できる利便性を実現することが主な目的だったが、ここ数年はスマホやタブレット端末のトラフィックをオフロードする狙いが色濃くなってきた。

 英国の携帯電話会社O2は2011年以降、それまで他社の設備を借りて展開していた公衆無線LANを、自前で構築する方針に切り替えた。スマホの普及拡大に備え、アクセスポイント(AP)の敷設を急いでいる。例えばロンドン市内の半径10マイル(16km)圏内のAPは、2011年12月時点で70カ所程度だったが、2013年9月時点で10倍の700カ所以上に増えている(画像1)。

 米AT&Tはここ1~2年、公衆無線LANの設備をあまり増強していないが、全米の約3万2000カ所に接続スポットを配備している。2012年は接続回数が前年比2倍強の27億回に達した。中でもスマホやタブレットといったスマートデバイスによる利用が伸びており、2011年10~12月期の同社公衆無線LANのトラフィックはモバイル端末だけで前年同期比3倍以上の5.2P(ペタ)バイトに増えたという。

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