AKB人気は本当か 新世代の音楽チャート作れ

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2014/4/10 7:00
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阪神電気鉄道の子会社阪神コンテンツリンクが、ビルボードの日本事業を担当している。2008年から音楽チャートの日本版の公開をはじめ、時代に合わせて改良を繰り返している

阪神電気鉄道の子会社阪神コンテンツリンクが、ビルボードの日本事業を担当している。2008年から音楽チャートの日本版の公開をはじめ、時代に合わせて改良を繰り返している

ビルボードは今の時代感をチャートに盛り込もうと、複数のデータを基に統計処理する手法を古くから採用している。ホット100は米国で誕生した59年当初から、レコード販売だけでなくラジオでの再生回数やジュークボックスの利用回数も加味している。各地の人口率やラジオの平均聴取率なども考慮してある計算式を導き出し、チャートを作ってきた。

ネット配信が始まればアップルのiTunesストアの販売動向を盛り込み、動画共有サイト「ユーチューブ」で音楽を楽しむ人が増えれば米グーグルから再生回数の情報提供を受けて対象に加える。最近も英スポッティファイなど定額で聴き放題のサービスが普及する現状を踏まえて計算式を作り直している。

■総合的に人気度を判断すべきと考えたビルボード

「音楽は国ごとに聴くスタイルが違う。日本型の計算式を考え出す必要があった」(礒崎次長)。日本版ホット100は08年に始まったが、当初からラジオの再生回数とCD販売を組み合わせている。10年にはiTunesストアの販売動向を追加。昨年12月にCDレンタルとツイッターも対象に加え、指標を5つに増やした。「ようやく消費者の肌感覚に合うチャートになり、消費者も遠巻きながらその輪に参加している感覚で楽しんでもらえる」(礒崎次長)レベルに達したとの実感がある。

CDレンタルの指標を加えたのは、日本の音楽市場の特性を踏まえるためだ。音楽市場で世界第2位の日本では、音楽コンテンツの総売り上げの8割がCDなどのパッケージ。音楽配信は米国の60%に比べると少なく、16%にとどまる。

オリコンのCD販売チャート(3月10日~16日)
1位桜、みんなで食べた(HKT48)
2位君がいない、あの日から…(Acid Black Cherry)
3位サクラあっぱれーしょん(でんぱ組.inc)
4位With You/With Me(9nine)
5位光のシグナル(Kis-My-Ft2)
6位カリフォルニー(ケツメイシ)
7位STARTING OVER(青山☆聖ハチャメチャハイスクール)
8位前しか向かねえ(AKB48)
9位The World's End(堀江由衣)
10位パラレル(KEYTALK)

問題はこの数字には含まれない音楽の聴き方があることだ。日本レコード協会が消費者が楽曲を入手する手段を調べたところ、CDの購入は30.7%、音楽配信のダウンロードが10.9%だった。ところが18.4%の消費者はCDレンタルを利用していた。レンタルショップから借りるのに加え、家族やこっそり知り合いから借りてパソコンで録音している消費者も少なくないとされる。貸し借りが多い楽曲は購買されなくても支持されている証左。ビルボードはこの状況を含めることにした。

後者のツイッターの加算は、日本ではラジオの力が米国などに比べて相対的に下がった状況を踏まえた工夫だ。日本レコード協会調べでは、消費者が新しい楽曲を知ったメディアの順位でラジオは5番目。一番多いのはテレビ番組で、2番がテレビCM、3番が動画共有サイトだった。ラジオでの再生回数だけでは、瞬間風速的な人気の上昇をもはや正確には把握できないとビルボードは考えた。

そこで目をつけたのが、テレビやネットを見ながらツイッター上でリアルタイムにつぶやく消費者が多い現象。音楽に関するつぶやきを分析すれば人気のある楽曲を知るヒントが得られるはず。「発売前からテレビCMや動画共有サイトでよく聴かれたり、CDシングル未発売で何かのきっかけで人気に火がついたりしたケースもきちんと追える」(礒崎次長)

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