2019年2月19日(火)

AKB人気は本当か 新世代の音楽チャート作れ

(1/4ページ)
2014/4/10 7:00
保存
共有
印刷
その他

ネット時代に合った新しい音楽の総合人気チャート作りに米ビルボードが挑戦している。上位100曲を毎週紹介する「ホット100」を昨年12月、国内向けに一新。CD販売やネット配信、ラジオでの再生回数に加え、CDレンタルやミニブログツイッター」の動向も加味して算出するよう改めた。

現在日本では、オリコンが発表するCD販売チャートで楽曲の人気度合いを測ることが多い。その集計結果の正確さには定評があるが、ネット配信や動画投稿サイト「ユーチューブ」などの普及で消費者の音楽の聴き方が多様化。実際の人気度と必ずしも一致しないとの指摘もある。ネットの反応などにも"網をかけた"ビルボードの新チャートが根付けば、再び消費者がチャートに関心を持ち音楽と触れ合う機会が増える可能性がある。1998年をピークに落ち込みが続く国内音楽市場に活気を戻す起爆剤になるかもしれない。

■CD販売ではアイドルが上位独占の不可思議

1959年から音楽チャート「ホット100」を手がける米ビルボード。同社は知名度を生かしブランドを冠したライブハウスも運営する。国内では都内と大阪の2カ所にある。

1959年から音楽チャート「ホット100」を手がける米ビルボード。同社は知名度を生かしブランドを冠したライブハウスも運営する。国内では都内と大阪の2カ所にある。

「日本の音楽ファンが好んで聞いている楽曲が何かを正確に反映した総合チャートを作りたかった」。こう語るのは、ビルボードの日本事業を担当する阪神コンテンツリンクの礒崎誠二次長だ。同社は阪神電気鉄道の子会社で、阪神タイガースの販促のほか、提携先のビルボードのブランドを冠したチャート作りやライブハウス運営を手掛けている。

オリコンが発表するCD販売チャートを眺めると、ほぼ上位を毎週アイドルが独占している。理由の一つが握手券の存在だ。ここ数年、アイドルが握手会の入場券をCDに同梱するのが常態化している。枚数が多いほどアイドルと語る時間が長くなるため、握手券目当てに何枚もCDを買うファンも少なくない。

中でも、女性アイドルグループAKB48が例年5~6月に開催する「総選挙」と呼ぶイベントでは握手券の代わりに投票券が同梱され、複数枚購入が過熱。お気に入りのアイドルの順位を押し上げようと「100枚単位は当たり前。中にはCDを1000枚買った強者もいる」(熱心なファンの一人)という。楽曲の人気度合いとCD売り上げの間の相関関係が崩れつつある。

2013年のCDシングルの年間チャート(オリコン調べ)
1位さよならクロール(AKB48)
2位恋するフォーチュンクッキー(AKB48)
3位ハート・エレキ(AKB48)
4位So long !(AKB48)
5位EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~(EXILE)

オリコンのチャートはCDショップのPOS(販売時点情報管理)データを基に統計処理したもの。当然、握手会や総選挙などイベントの動向が色濃くランキングにも反映される。結果として2013年の年間チャートでは1位から4位までをAKB48の作品が独占。姉妹グループも含めると実に7作品がトップ10に入った。AKB48は確かに多くのファンに支持されているのは事実だが、世の中にはさまざまな音楽を楽しむファンがいる。オリコンチャートを楽曲の人気を表すバロメーターに位置付けることに違和感を感じる消費者は多いだろう。

ビルボードの試みは、いわば昔のテレビの音楽番組「ザ・ベストテン」で実施していたチャート作りを現代版にアレンジして再生させようというもの。90年代ごろまでは音楽番組がテレビで人気を集め、レコードの売り上げだけでなく消費者からの投票も受け付けるなどしてランキングを算出していた。世相を反映したものとして若者を中心に消費者の側も強く支持していた。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報