サイバーリンク、ソフト新版 動画のクラウド保存開始

サイバーリンクは2014年4月8日、DVD、Blu-ray Discなどの映像を再生するアプリの新版「PowerDVD 14」を発表した。ダウンロード版は同日から、パッケージ版は4月18日に発売する。ダウンロード版の価格は、「PowerDVD 14 Ultra」が1万1800円(税込、以下同)、「PowerDVD 14 Pro」が9500円、「PowerDVD 14 Standard」が4980円。
前バージョンからの進化は、「H.264」の後継となる動画圧縮規格「HEVC/H.265」に対応したこと。HEVC/H.265は、データの圧縮率がH.264のおよそ2倍になり、現在のフルHDより高画質な「4K映像」では主流のフォーマットになる見込みだ。
また、動画・写真用のオンラインストレージサービス「サイバーリンククラウド」を開始する。PowerDVD 14 Ultraのユーザーは、10GBの容量を1年間無料で利用できる。それ以降は10GBの場合で、年額990円の利用料がかかる。

サイバーリンククラウドに保存したコンテンツは、パソコンからだけでなく、iOS/Android(アンドロイド)/Windowsストアアプリ用のアプリ「Power Media Player」をインストールしたスマートフォンやタブレットからも再生できる。アップロード時に、自動的に映像品質を落として容量を節約する機能も備える。PowerDVD 14 Ultraのユーザーは、スマートフォン/タブレット用のPower Media Playerを無料で利用できる。
このほか、YouTubeの動画のキャッシュを保持することで、オフライン時にも再生できるようにする「ピン留め」の機能を搭載する。
なお、下位製品となる「PowerDVD 14 Pro」には、HEVC/H.265映像や3D映像の再生機能がない。「PowerDVD 14 Standard」は、さらにBlu-rayの再生機能がなく、DVDのみの対応となる。
サイバーリンクの滝本謙一社長は発表会の席上で「クラウドサービスにより、いつ、どこにいても見たいコンテンツを再生できるようになった。以前よりは少なくなったが、パソコン向けの製品は依然として強い。そこはしっかりやりつつ、モバイル向けにも注力する」と、今回の狙いを説明した。


(日経パソコン 大橋源一郎)
[PC Online 2014年4月9日掲載]