2019年2月23日(土)

太陽電池のライバル登場か
MITらが熱電変換と太陽熱で発電と湯水供給を同時に実現

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2011/5/9付
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米Massachusetts Institute of Technology(MIT)、熱電変換技術を開発する米GMZ Energy社、米Boston College、そしてアラブ首長国連邦(UAE)のMasdar Institute of Science and Technologyの研究者から成る研究チームは、熱電変換素子を用いたフラット・パネル型の太陽熱発電兼温水供給システムを開発した。発電だけでなくお湯も同時に作る「熱電併給(コージェネレーション)」が可能で、発電の変換効率は5%前後である一方で、50℃前後のお湯を作ることができる。

今回の技術を家庭での太陽エネルギー発電と温水器に応用した際のイメージ(図:Boston College)

技術の詳細については、学術誌「Nature Materials」に論文を発表した。

論文によれば、今回の発電の変換効率は、従来の同様なシステムに比べて7~8倍も向上した。今後は変換効率10%超の実現も可能としている。さらに、製造コストを光電変換(PV)に基づく太陽電池より大幅に下げられる可能性がある点や、温水を作製可能である点で、減価償却が太陽電池より大幅に短くなる可能性もあるとしており、将来的には太陽電池の強力なライバルになる可能性がある。Boston CollegeのProfessor、Zhifeng Ren氏は、日経エレクトロニクス誌の取材に対して、「発電出力に対する製造コストは、0.5米ドル/Wにすることが見込める。温水も作れることを考慮すると、太陽電池と十分に競争できる」と回答した。

集熱式で熱を200~300倍に

熱電変換素子を用いて太陽熱発電をする試みは以前からあった。ところが、熱電変換で重要となる、大きな温度差を作ることが容易ではなく、変換効率は0.63%と非常に小さかった。

今回の研究チームは、三つの大きな改善策によって高い変換効率を実現した。(1)高い効率で太陽光を吸収するフラット・パネルで、太陽熱を200~300倍に集めるシステムを開発して温度差を確保した、(2)パネルをガラスの真空容器で包み、熱損失を大幅に低減した、(3)MITらが最近開発した、性能指標ZTの値が1.03と高いビスマス・テルル(BiTe)系材料から成る熱電変換素子を用いた、の3点である。

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