2018年11月14日(水)

カネを生むソーシャルゲームの功罪
モバゲー、GREE、mixi 三つどもえの軌跡

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2010/11/12 7:00
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 「人のつながり」に根ざしたインターネット上のメディア、ソーシャルメディアが全世界で“猛威"をふるっている。世界で5億人以上の会員を抱えるFacebook(フェイスブック)、つぶやきで世界を席巻したTwitter(ツイッター)、共同購入型のクーポンサイトで急成長を遂げているGroupon(グルーポン)……。ソーシャルの要素なくして成長なし、と言わんばかりに、ほぼすべてのネット企業が「ソーシャル革命」の波に乗り、ユーザーを囲い込もうと火花を散らせる。その舞台裏に迫るコラムの初回は、日本中を席巻する「ソーシャルゲーム」を追う。

女優の戸田恵梨香さんを起用した「モバゲータウン」のテレビCM

女優の戸田恵梨香さんを起用した「モバゲータウン」のテレビCM

「私は無料が好き。ゲーム無料はモバゲー」「今日からあなたもキャバ嬢。接客でナンバーワンを目指せ!キャバ嬢ゲームもグリーで」……。

まるで携帯ゲームが日本の地上波をジャックしているかのようだ。今年9月に関東地区で放映されたテレビCMの銘柄別ランキング(ビデオリサーチコムハウス調べ)で、携帯電話向けゲームサイトの2大巨頭、グリーの「GREE」とディー・エヌ・エー(DeNA)の「モバゲータウン」が、前月に続いて1位と2位を独占した。

合計の放映回数は4150回。どんな商品やサービスをもしのぐ旺盛な広告出稿。それだけ儲かっている証左である。

4億ドル超の大型買収で世界を狙うDeNA

この11月1日、2010年7~9月期決算を発表したDeNAとグリーの2社は、またしても、とんでもない収益力と成長力を見せつけた。DeNAの売上高は前年同期比3.2倍の271億円、純利益は同4.5倍の76億円。グリーの売上高は同82%増の124億円、純利益は同74%増の37億円。ともに四半期ベースでは過去最高の売上高と利益を記録した。収益面で停滞するミクシィの「mixi」を大きく引き離す。

営業利益率はともに50%。売上高の半分を利益とする高収益のゲームビジネスがマネーを生み、積極的なM&A(合併・買収)の原資となる。狙うは海外だ。

DeNAは10月12日、北米市場を中心にアップルのスマートフォン「iPhone」向けのゲームアプリなどを展開する米ngmocoを100%子会社化したと発表した。海外のゲーム関連企業への出資は、今年9月以降、これで3件目。中でもngmocoの買収額は4億300万ドル(約325億円)と過去最大となった。

ngmocoが運営する1200万人の会員を抱えるゲームコミュニティーを足がかりに、DeNAは海外におけるスマートフォン向けゲームの首位を狙う。南場智子社長は「ゲーム×スマートフォンという、世界の大きなうねりの中で頂点まで行きたい。ngmocoは、そのために当社が欲しかったものをすべて持っている。14年度までに海外の売り上げ比率を半分にしたい」と息巻く。

「モバイル向けのゲームプラットフォームで世界一を狙う」と田中良和社長が公言していたグリーも11月1日、動きを表面化させた。東南アジアやインドなど新興国を中心にモバイル向けSNS「mig33」を運営し、4000万人以上の会員を抱える米国のベンチャーProject Gothへ数億円を出資した。

カメレオンのように変容を遂げてきたSNS

家庭用ゲーム機で世界中を熱狂の渦に巻き込んだ任天堂やソニーは、かつての勢いを失っている。そんななか、DeNAとグリーは破格の成長を遂げ、グローバル市場に打って出ようと気を吐く。2社をドライブさせたもの。それは「ソーシャルゲーム」にほかならない。

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