2019年7月23日(火)

復興セミナーで世界の識者が語ったスマートシティの「ビジョン」

(1/3ページ)
2012/3/12 7:00
保存
共有
印刷
その他

「(東北を)地域のスマートコミュニティ・モデルとして世界へ発信、国際社会に貢献する」。

福島市で2012年3月2日に、外務省と経済産業省、環境省の共同主催によるセミナー「被災地復興へ向けたスマートコミュニティ提案」が開かれた。国内外から著名なスマートシティ・プロジェクトの責任者が集まって議論するという、これまでに世界でもあまり例のないセミナーである。冒頭の一文は、その最終提言としてまとめられた言葉だ。

復興という大きな課題に挑戦するにあたり、世界の知恵を借りるだけでなく、それを咀嚼(そしゃく)して次世代のコミュニティ・モデルとしてまとめ上げ、さらにそれを世界に発信して恩返しをする――。こうした活動の中でこそ、日本の企業が期待しているスマートシティ関連のシステム輸出が可能になることを、この最終提言は示している。

同セミナーは、福島県出身でもある玄葉光一郎 外務大臣と、潘基文 国連事務総長による熱いメッセージによって始まった。続いて国際エネルギー機関(IEA)のリチャード・ジョーンズ事務次長と、建築環境・省エネルギー機構の村上周三理事長、エネルギー戦略研究所の山家公雄研究所長の3氏による基調講演が行われた。いずれも、エネルギーを軸に都市の魅力を再考することがスマートコミュニティの実現につながると主張する内容だった。

これを受けて午後のプログラムでは、国内外のスマートシティ・プロジェクトのリーダーらが登壇するパネルディスカッションが2つ開かれた。日経BPクリーンテック研究所の望月洋介所長がモデレーターを務めたパネルディスカッションIと、東北三県の復興計画を練るリーダーらが登壇し会津大学の岩瀬次郎理事がモデレーターを務めたパネルディスカッションIIである。

■「住民が主役」は世界の共通認識

写真1 国内外のスマートシティ・プロジェクトのリーダーが登壇したパネルディスカッションIの様子

写真1 国内外のスマートシティ・プロジェクトのリーダーが登壇したパネルディスカッションIの様子

最終提言の土台を形作ったのがパネルディスカッションIである(写真1)。パネリストとして登壇したのは8人。オランダのアムステルダム市、デンマークのロラン島、米国のテキサス州ピーカン・ストリート、コロラド州、アラブ首長国連邦(UAE)のマスダールシティといったスマートシティ・プロジェクトのリーダーたちと、欧州連合(EU)における再生可能エネルギー研究の代表、そして北九州市の松岡俊和担当理事と東京都港区の内藤克彦副区長だ。

モデレーターが発した「スマートコミュニティとは何か」「コストは誰が負担するのか」といった本質的な質問に対し、各氏は小気味よく自らの思いを語っていった。各氏の表現こそ異なってはいたが、個人の生活の質的向上に向けて産官学および住民のそれぞれがコストを負担することでプロジェクトを推進するのだという点は、共通した考えのようだ。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。