韓国 電力危機、動じないサムスンの「特権」

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2013/7/16 7:00
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日本経済新聞 電子版
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韓国で今夏、未曽有の電力危機が訪れる。23基ある原子力発電所の3分の1が不祥事などで稼働を停止。猛暑になれば、各地で大規模停電が起きる可能性も指摘されている。国を挙げての節電キャンペーンが繰り広げられる構図は東日本大震災後の日本に通じるが、完全に異なる絵柄もある。日本では企業が電力会社の節電要請に振り回されたのに対し、韓国ではサムスングループを筆頭に大手企業に混乱は広がらない。危機感が薄いのはなぜなのか……。

■最後から2番目に停電

原発の写真は共同

原発の写真は共同

ソウル市の韓国電力公社本社。短パン、サンダルという「スーパークールビズ」ファッションの社員が渋面で門をくぐっていく。外も暑いがビルの中はもっと暑い。節電を呼びかける立場の公社は冷房を使えず、上層階ではセ氏36度にも達する。

一方、サムスン電子の本社。冷房は28度に設定され、うちわであおぎながら仕事をする社員の姿が見られるが、業務効率は落ちていないようだ。

「総額1兆5000億ウォン(約1300億円)を投じてエネルギー消費量を2割削減する」。約1カ月前、サムスングループの経営戦略を統括する「未来戦略室」のコミュニケーションチーム長の李仁用(イ・インヨン)は発表した省エネ対策に胸を張った。系列全社の照明を発光ダイオード(LED)にするほか、サムスン電子やサムスンディスプレーの工場の老朽設備を高効率品に取り換えるという。

ただこれは締め切りを2015年とする中期計画で、あくまで生産効率化が主眼。今夏の電力危機を意識したのは、オフィスの冷房設定を午後の一部時間帯で高めにする、社員の半袖シャツ着用・ノーネクタイを認める、夏休みを電力需要が増える8月に集中させるなど、省エネ効果が限定的な事務所を中心とした対応にとどまる。

工場については「操業時間を調整して電力ピーク時間帯は3~20%の節電をする」というが、これはテレビの組み立てなど家電製品が対象。半導体向けクリーンルームなどで電力を大量消費するスマートフォン(スマホ)関連工場は除外しているもようだ。

それもそのはず。サムスンを筆頭に財閥系大手企業グループは政府から実質的な停電対象からの除外という特権を得ているのだ。電力公社の中堅幹部が匿名を条件にカラクリの一部を明かしてくれた。…

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