iPadと動画が変えた戦術 女子バレー飛躍の舞台裏
スポーツを支えるIT(2)

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2011/8/16 7:00
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 2010年11月、バレーボールの女子世界選手権で日本チームは、32年ぶりの3位となり銅メダルを獲得した。話題になったのは、代表監督の真鍋政義氏が米アップルのタブレット端末「iPad」を手に持って選手に声をかけ続けていた姿だった。緊迫した試合中でも、監督は試合中に刻々と変わる様々なデータを閲覧しながら、スパイクの調子がよい日本チームの選手に球を集めたり、レシーブが苦手な相手の選手を攻めたりするなど、具体的な指示を送っていた。

■分析ソフトが動くパソコンとiPadが画面共有

iPad内に蓄積された分析結果の例。これら画面を見て真鍋監督は選手に指示を出す
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iPad内に蓄積された分析結果の例。これら画面を見て真鍋監督は選手に指示を出す

 バレーボールの試合時間は2時間前後とされるが、実質的なプレーの延べ時間はその半分以下。タイムアウトでチームの雰囲気を立て直したり、プレーごとのインターバルやセット間に選手に細かく指示を出したりでき、監督やコーチが試合中の選手の動きに関与しやすいという。

 しかも「バレーボールでは監督がコンピューターをベンチに持ち込むことが許されている」(日本バレーボール協会の渡辺啓太アナリスト)。このメリットを最大限に生かして、真鍋監督が手元にある必要なデータを見て即座に作戦を指示できる環境をiPadで整えた。

バレーボールの情報化について語る日本バレーボール協会強化事業本部全日本女子バレーボールチーム情報戦略班事業ディレクターの渡辺啓太アナリスト
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バレーボールの情報化について語る日本バレーボール協会強化事業本部全日本女子バレーボールチーム情報戦略班事業ディレクターの渡辺啓太アナリスト

 それまではデータをまとめた紙をプリントアウトしていたが、出力に時間がかかるうえ、ベンチサイドでの使い勝手もよくなかった。iPadはノートパソコンより軽く、視認性が高い。指先の操作で文字や画像を拡大できるなど試合中に慌ただしいベンチでも使いやすい。

 iPad上で動いていたのは加賀ソルネット(東京都千代田区)が開発した「Volley Pad」と呼ぶソフト。端末内のデータを表示したり、画面を切り替えて「画面共有機能」でMacパソコンの画面を表示したりできる。コートサイドのMacでは、バレーボール分析のための専用ソフト「Data Volley(データバレー)」が起動しており、渡辺アナリストが操作している。本来はWindow用のソフトだがこれをMacで動作させることでiPadとの画面共有が可能になった。

 「a4SQ17.8#……」――。渡辺アナリストはプレー内容を見ながら、データバレーの専用コードを使って、試合中にデータを入力していく。ベンチ内のコーチから無線のヘッドホンで指示を受けると、該当する統計データを選び出してMacの画面に表示する。この画面は監督のiPadからも閲覧できる。

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