日米外交60年の瞬間 第3部

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中国が周恩来外相声明でソ連に同調 サンフランシスコへ(40)
日米外交60年の瞬間 特別編集委員・伊奈久喜

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2012/5/19 7:00
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第五に、賠償問題に関して中華人民共和国中央人民政府は、対日平和条約アメリカ、イギリス草案の中でアメリカ政府が故意に作りあげた混乱を整理しなければならないと考える。

草案は、日本が戦争中にもたらした損害と苦痛とにたいし賠償を支払うべきことを一応原則上承認しながらも、他面、もし日本が健全な経済を維持しようと欲するとき、日本にはこういった賠償支払能力とその他の義務を果すだけの能力にかけているともいっている。表面上アメリカ政府が日本経済の健全性に最も大きな関心をもっているかのようにみえるけれども、しかし実際は、六ヵ年にわたる日本の占領と管理の期間中アメリカ政府は、さまざまの特権と制限を利用して、こっそり日本から賠償を取り立ててきたのであり、現に取り立てつつあり、また日本経済を痛めつけてきたとともに、今なお痛めつけつつあるのである。アメリカ政府は、日本の侵略を蒙った他の諸国が日本から賠償を請求するのを許さない。まさに絶対公表できないというアメリカの腹の底には、日本に賠償支払能力と他の義務を履行する能力を温存して、結局アメリカ独占資本のため、こんごも搾取できる余地を残しておこうという狙いがあるのである。主張されているように、もし日本に賠償支払能力とその他の義務を履行する能力がとっくにかけているならば、それは、アメリカ占領当局により過度に掠奪され、損害をうけた結果である。アメリカ政府が国際協定上の義務を守り、平和条約の署名後、早期に占領軍を引揚げ、直ちに軍事基地の建設をとりやめ、日本の再軍備と日本軍需工業の復活をめざす計画を放棄するとともに、日本経済におけるアメリカ商社の特権を取消し、日本の平和経済及び正常な外国貿易の上に課せられた制限を撤廃するならば、そのときこそ、日本の経済は、真に健全な状態に到達するであろう。中華人民共和国中央人民政府は、日本が健全にその平和経済を発展させ、中日両国間に正常な貿易関係を回復発展させることができ、その結果、日本人民が戦争の脅威と被害をこうむらずに、真に向上する道が開かれるよう希望するものでる。一方日本に占領されて大損害をこうむり、そして自力で再建することが困難である諸国は、賠償を請求する権利を留保すべきである。

以上述べてきた事実から、対日平和条約アメリカ、イギリス草案は、全面的に国際協定をくつがえすものであり、日本と戦争した連合国の利益を害し、中ソ両国に敵意を示し、アジア人民をおびやかし、世界の平和と安全を破壊し、かつ日本人民にとっても不利をもたらすものであることは、はっきり証明することができよう。この対日平和条約アメリカ、イギリス草案のなかで、アメリカ政府とその衛星国がいっしょになって追求している唯一の中心目標は、アジアにおける侵略戦争を持続して拡大し、かつ新たな世界戦争準備を強化するために、日本を再武装することである。それゆえ、この平和条約草案は、中国人民と、かつて日本の侵略をこうむつたアジアの人民の絶対に受けいれられないものである。

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