日米外交60年の瞬間 第3部

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中国が周恩来外相声明でソ連に同調 サンフランシスコへ(40)
日米外交60年の瞬間 特別編集委員・伊奈久喜

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2012/5/19 7:00
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<対日講和に関する長文の声明>

一九五一年七月十二日、アメリカ合衆国政府及び連合王国政府は、ワシントンとロンドンで同時に、対日平和条約草案を公表した。ついで、アメリカ合衆国政府は、同年七月二十日日本単独平和条約署名の準備として、サンフランシスコに会議を招集する旨通知を発した。このことに関して、中華人民共和国中央人民政府は、わたくしにつぎの声明を発表する権限を与えることを必要と考えている。

中華人民共和国政府は、アメリカ、イギリス両国政府によって提案された対日平和条約草案は、国際協定に違反し、基本的に受諾できない草案であるとともに、アメリカ政府の強制で、九月四日からサンフランシスコで開かれる会議は、公然と中華人民共和国を除外している限り、これまた国際義務を反古にし、基本的に承認できない会議であると考える。

対日平和条約アメリカ、イギリス案は、その準備された手続からみても、またその内容からいっても、一九四二年一月一日の連合国宣言、カイロ宣言、ヤルタ協定、ポツダム宣言及び協定、ならびに一九四七年六月十九日の極東委員会で採択された降伏後の対日基本政策など、アメリカ、イギリス両国政府が均しく署名しているこれら重要な国際協定にいちじるしく違反するものである。

連合国宣言は、単独で講和してはならないと規定しているし、ポツダム協定は「平和条約準備事業」は、敵国の降伏条項に署名した委員会参加諸国によって行われねばならないと規定している。それと同時に、中華人民共和国中央人民政府は、武力を通じて対日作戦に加わった国のすべてが対日講和条約起草の準備事業に加わると主張するソヴィエト連邦政府の提案をこれまで全面的に支持した。ところが、アメリカは、対日平和条約の準備事業を遅らせるため、長期にわたりポツダム宣言の原則を実施するのを拒んだ揚句、現在出されている対日平和条約草案に関する準備事業をアメリカ一国だけで独占し、とりわけ中国とソヴィエト連邦を基幹とする対日戦に加わった国々のうち、大多数を平和条約の準備事業から除外したのである。更にアメリカ一国で強引に招集し、かつ中華人民共和国を除外する平和会議は、対日単独平和条約の署名を企てている。イギリス政府の支持のもとで、こういった国際協定に違反するアメリカ政府の動きは、明らかに日本及び日本との戦争状態にある国々の間で結ばれるべき真の全面的平和条約を破壊するものである。

のみならず、アメリカ政府だけに有利で、日米両国の人民を含む各国の人民にとり不利な単独平和条約を受諾するよう、日本と対日作戦に加わった諸国に無理に押しつけようとしている。これは、実際には新たな戦争を準備する条約であり、真の意味での平和条約ではないのである。

かような中華人民共和国中央人民政府の結論には、対日平和条約アメリカ、イギリス草案の基本内容からみて、もはや反論する余地がないのである。

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