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Facebookの何がそんなにスゴイのか

映画「ソーシャル・ネットワーク」が公開され、アラブ諸国の政変が連日報道される中、世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「Facebook(フェイスブック)」への関心が日本でも急速に高まっている。Facebookって何? 既にあるmixiやTwitterなどのネットコミュニケーションサービスとはどう違うの? といった、多くの人が感じる疑問について解説していこう。

【最初は、米ハーバード大の学生専用サービス】 世界最大のSNSはこうして生まれた

Facebookとは、米国で誕生したSNSだ。2004年、米ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグ氏の手によって誕生した。当初はハーバード大学内だけで使うサービスだったが、米コロンビア大学、米イェール大学や米スタンフォード大学などの学生から「うちの大学でも使いたい」という声があり、他の大学でも使えるようにしたことから広まっていった。

その頃はまだ大学生限定のサービスであったため、大学のメールアドレスで登録するという条件があったが、2006年には高校生の参加を認めるようになり、同年9月には一般に開放され、現在では誰でも利用できるようになった。

瞬く間に友達が増えるFacebookの不思議な仕掛け

「SNS」とは、人と人とのつながりを支援するコミュニティ型サービス。2003年にGoogleが始めた「Orkut」や、音楽SNSとして有名な「My Space」、日本だと「GREE」や「mixi」などが代表的なSNSとして知られている。

ほとんどのSNSは、自分のプロフィールや写真を会員に公開する機能、メール機能、新しい友達を登録するアドレス帳、日記、趣味や地域などテーマを決めて交流できるコミュニティ機能、予定や友人の誕生日などを書き込めるカレンダーなどの機能を備えている。

また、会員同士のつながりを広げていくために、趣味や嗜好、居住地域、出身校、「友人の友人」などのトリガーを用意するなど、まだ知らないメンバーとのつながりをプロデュースする機能を多くのSNSが提供している。こうした共通項をきっかけとして、新たな人間関係を生み出すことができるのだ。

もちろんFacebookも、こうした機能は全て備えている。具体的な内容は後述するが、なかでもプロフィールやコミュニティ機能、友達を広げる検索機能については、他のSNSを圧倒するポテンシャルを秘めている。よく「Facebookを始めると、友達がすぐに増える」という話を聞くが、これはFacebookのさまざまな機能が、「知り合いを発見し、親交を深める」という流れに従って、始まりから終わりまでしっかりとサポートする仕組みになっているからだ。自分から友達を増やすために努力しなくても、ただFacebookを使っているだけでどんどん知り合いが増えていくという不思議な仕掛けが、Facebookの中にはある。

実名だからこそ得られるメリットに注目!

Facebookは実名主義のSNSとしても有名だ。Facebookに会員登録する際、「実名で登録してください」と言われ、驚いた人もいるだろう。日本のSNSは、個人情報流出のリスクを避けるため、「できるだけ実名を出さないように」とアナウンスしていることが多い。例えば、mixiではほとんどのユーザーが匿名を使っている。「ネットに実名を出すのは危ない」という意識は、特に日本においては周知徹底されている。こうしたことから、Facebookが日本上陸を果たした際は、実名主義が物議を醸した。その時は、「実名主義は日本の風土に合わない」という意見が多かった。

しかし、果たして本当にSNSでは実名を使わない方が安全なのだろうか。匿名で利用できる場合、名前だけではその本人かどうか判断できないため、性別を偽って異性に近づいたり、著名人になりすまして発言するというユーザーが出現し、さまざまなトラブルを生み出す可能性がある。こうしたトラブルは、匿名性が高いネットサービスにつきものだ。

その点Facebookは、参加メンバーの顔と名前が見えるため、そういったリスクが少ない。また、プライバシー設定によって住所や学校名、社名などの個人情報を公開する範囲が決められるため、誰でも簡単に個人情報にアクセスできるわけではない。つまりプライバシー設定をきちんと設定しておけば、相互の承認によって友達として登録された相手にのみ、自分の住所や履歴を見せることができる。言い換えれば、自分が認めていない相手には、個人情報を完全に隠すことができるのだ。

本場米国でのFacebookの利用者を見ると、男性より女性の方が多い。本来、ネットでのリスクを恐れる女性がこれだけ活発に利用しているのは、それだけFacebook内では個人のプライバシーが固く守られるということを知っているからに他ならない。

【データから読み取るFacebookのユーザー像】 どんな人が使ってるの?

では、実際にどんな人がFacebookを利用しているのだろうか。

Facebookのアプリケーション開発会社キャンディーテックが運営しているFacebook統計ポータル「Social Bakers」では、日々Facebookの利用者データを公開している。このデータによると、世界中でのFacebookの利用者数は2011年1月13日現在、5億9497万9020人。その中で日本人の利用者は185万4800人で、世界ランキングでは53位になる。

6億人突破も目前!
日本におけるユーザー数の割合

男女比を見ると、男性ユーザーが51%で、女性ユーザーが49%。国内ではまだ少し男性の方が多いが、ほぼ半々と言っていいだろう。

年齢別で見ると25歳~34歳が1番多く、42%を占めている。このことから、若いビジネスマンがFacebookのメインユーザーであることが分かる。その次に多いのが、18歳~24歳(28%)。学生と新米社会人を含む世代だ。つまり、18歳~34歳が全体の70%を占めることになる。対して中学~高校生(13歳~17歳)は、全体のわずか4%。学校内で人間関係が完結する世代には、Facebookはあまり魅力的ではないようだ。45歳以上のユーザーもわずか9%と、あまり多くない。

こうしたデータから、大学から社会人になり、学生時代の友人と疎遠になってきた頃にFacebookを始め、友達と連絡を取り合うユーザー像が浮かぶ。また、この頃には仕事上で人脈を広げることも必要になる。Facebookが、人脈を広げるサポートツールにもなるわけだ。

このように、「仕事の人脈を広げたい」「友達との交流を深めたい」という人には、Facebookは大変便利なサービスになる。反対に、自分の身の回りの人間関係だけで満足していたり、あまり人と交流する必要性を感じない人にとっては、Facebookは使いにくいかもしれない。一般的にSNSがそうであるように、Facebookもまた人とのつながりを中心に成り立っているサービスだからだ。

日本における過去6カ月間のユーザー数の推移

【日記、チャット、メール……】 Facebookで、何ができる?

では、Facebookで何ができるのだろうか。

まず、「Twitter」のようにリアルタイムにつぶやくことができる。また、「mixi」のように日記を書いたり、ゲームで遊んだり、お気に入りの芸能人や趣味などのコミュニティに入って情報交換することもできる。「Flickr」のように写真をアップしてアルバムを作り、友達に公開することもできるし、友達に紹介したいニュースやサイトがあれば、そのリンクを載せる「はてなブックマーク」のようなこともできる。

このように、使える機能はたくさんあるが、Facebookの場合、これらの情報をワールドワイドにシェアできる意味は大きい。例えば米国のアーティストのファンページを登録すれば、米国からの最新情報がリアルタイムに入手できる。また、時に本人とコミュニケーションを取ることもできるのだ。実際、あこがれのビッグアーティストとメッセージのやりとりをしている会員もいる。まさに、Facebookが全世界に広がるSNSだからこそ味わえるメリットだろう。

一生会うはずのなかった友人とも再会のチャンスが

プロフィールに出身の学校や卒業年、現在の勤務先を書いておけば、幼なじみや昔のクラスメートと思いがけない再会を果たすこともある。日本にも「この指とまれ!」というサービスがあるが、それと同じだ。本当であれば、一生出会うはずのない友達と、また以前のように交流できる喜びは、計り知れない。遠方に住んでいたとしても、Facebookのコメントやチャット、メッセージ機能を使えば、まるで近くにいるような感覚で交流を深めることができる。またイベント機能を使えば、複数のメンバーで集まって飲み会を開いたり、小さな同窓会を企画することもできそうだ。

さらに、Facebookにはビジネス利用という側面もある。企業名でファンページを作ったり、コミュニティを作ってユーザーを集め、メーリングリストを使ってキャンペーンを告知することもできる。また、簡単な手続きで広告を出すことも可能。その際、ユーザー情報を分析し、マーケティングに生かすこともできるのだ。

このように、Facebookを使えばできることや可能性はどんどん広がっていく。また、Facebook自体、今も日夜成長し、バージョンアップを続けている。常に新しいステージへと進化し続けるのが、Facebookの魅力でもあるのだ。今後はもっと画期的な機能が次々と搭載されていくだろう。

(ライター 井上真花・佐藤新一)

[日経BPパソコンベストムック、『これ1冊で完全理解 Facebook』(2011年2月発売)を基に再構成]

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