おなかスッキリ腹持ちアップ 人気急上昇の「グラノーラ」 - 日本経済新聞
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おなかスッキリ腹持ちアップ 人気急上昇の「グラノーラ」

 グラノーラの人気が急上昇している。なかでもドライフルーツやナッツ入りのフルーツグラノーラの勢いは著しい。右肩上がりの人気で、すっかりシリアル界の"顔"的存在となったフルーツグラノーラ。定番の食べ方だけでなく、普段の食事にプラスアルファして、賢く使いこなすワザを紹介しよう。

グラノーラは、オーツ麦を中心に、トウモロコシ、ライ麦、米などの穀物を、ハチミツなどの糖分や油脂分を加えて焼き上げたシリアルの一種。ドライフルーツやナッツなどがミックスされることが多い。グラノーラという名前は、粒状の(グラニュラー)、穀物(グレイン)という言葉から来たという説もある。

数種類の穀物やフルーツ、ナッツからなるフルーツグラノーラは、良質な炭水化物と良質な油、ミネラル・ビタミンが一度にとれる優れた食品だ。中でも注目したいのは、グラノーラの主原料として使われるオーツ麦。日本ではあまりなじみがないが、栄養面では大麦と似ており、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を豊富に含む優秀食材なのだ。

【オーツ麦】食物繊維、ミネラルたっぷり「雑穀」代表

 オーツ麦は、食物繊維量が玄米の約3倍。水分を抱え込んで食べたものの吸収を緩やかにし、血中コレステロールを減らすβ-グルカンなどの「水溶性食物繊維」を可食部100g当たりに3.2g含む。また、水を吸って膨れ、便のかさとなり腸の働きを促す「不溶性食物繊維」が6.2gとどちらも多い。穀物の中ではカルシウム、鉄分などミネラルの含有が多いのも特徴だ。米国では、オーツ麦入り製品に、コレステロールを下げたり、心臓病のリスクを低減すると表記できる。

グラノーラには、ほかにこんな穀物が入っているものも
大麦、ライ麦、玄米、トウモロコシ、小麦、ふすま

【ドライフルーツ】抗酸化成分で美肌づくり

フルーツのさまざまな彩りは、美肌にもつながる抗酸化成分の証し。ポリフェノール(レーズン、クランベリー、イチジク、イチゴほか)や、β-カロテン(アンズ、マンゴー、パパイヤほか)がドライフルーツには豊富に含まれている。

【ナッツ】良質な油と歯ごたえをプラス

カリッとした歯ごたえが魅力のナッツ。カロリーが高いと敬遠されがちだが、n-9系油のオレイン酸やn-3系油のα-リノレン酸など、良質の不飽和脂肪酸が豊富。体脂肪をたまりにくくしたり、血中の中性脂肪を減らす作用を持つ。

続ければ、お腹すっきり、腹持ちアップ!

グラノーラの主原料オーツ麦は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を豊富に含む。この水溶性食物繊維は、糖や脂質の吸収を緩やかにして太りにくくしたり、有害物質の吸収を妨げる働きを持つ。また、腸内細菌の餌にもなるので腸内環境を良くする作用も期待できる。

一方、不溶性食物繊維は、水分を吸って何倍にも膨れ、便のかさを増やすうえ、腹持ちを良くしてくれる。

もちろん、グラノーラの良さはオーツ麦だけではない。一度に複数の穀物やナッツ、フルーツがとれる点や、おいしさも大きな魅力となっている。穀物やナッツの「カリッ、サクッ」とした歯ごたえに、フルーツの柔らかなかみ心地がアクセントとなって、食べ続けても飽きのこない食感。味わいも、穀類の香ばしさや、フルーツの甘みと酸味、ナッツの滋味など、さまざまな要素が奥行きをもたらしている。よくかむことで満腹中枢が刺激され、満腹感が得られやすいのもポイントだ。

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朝のお薦めはこれ 調理0分でバランス朝食「グラ盛りヨーグルト」

朝、ヨーグルトを食べている人は、ぜひグラノーラをプラスして。 食感や食べごたえがアップするので満腹感が高まるうえ、グラノーラの食物繊維とヨーグルトの乳酸菌が、相互作用で腸内環境を整えてくれる。

栄養面のバランスも良くなる。左のチャート図にあるように、玄米ご飯に卵を1個つけたときと比べても「グラノーラ+ヨーグルト」の栄養価は高い。特に女性に必要な鉄、カルシウム、食物繊維、ビタミンA、B1の差は著しい。

「グラ盛り」「グラ足し」でバランスアップ

そのまま食べてもおいしいグラノーラだが、「シリアル=主食」という固定概念にとらわれず、料理にグラノーラをトッピングする「グラ盛り」や、調理の過程にグラノーラを混ぜ込む「グラ足し」をすれば、手軽に栄養価がアップできる。料理のバリエーションも広がる。

イチオシは、ヨーグルトとの組み合わせ。牛乳と合わせるよりもシリアルのサクサク感が味わえるうえ、ヨーグルトの酸味とグラノーラの甘みが絶妙なバランスを生む。また、腸内環境を整える効果も期待できる。

便秘外来を開設し、週に200人以上の便秘患者を診る小林メディカルクリニック東京の小林暁子院長は、「腸内環境を整えるヨーグルトと、食物繊維が多く含まれたシリアル、ドライフルーツの入ったグラノーラの組み合わせは、腸内美化にとってゴールデンコンビ」と話す。

いつもの食事に「グラ盛り」「グラ足し」で、おいしさも栄養価もアップ

・カップスープ+グラ盛りで、具だくさんスープ
 温かいスープにグラノーラをプラスするだけで「具だくさんスープ」ができあがり。コーンやカボチャなど、ポタージュ系との相性が○。少し肌寒い朝にも。

・ハンバーグ+グラ足しで、新しい味わいと食感
 ハンバーグを作るとき、パン粉の代わりに、グラノーラをつなぎに使う「グラ足し」ワザ。ソースにも加えると、しっとりとサクサク、二つの食感が楽しめる。

・サラダ+グラ盛りで、カリカリ、サクサク食感
 クルトンをトッピングする感覚で、サラダにもグラ盛り。楽しい食感はもちろん、サラダの塩気や酸味と、グラノーラの香ばしさや甘みが相性抜群

・パンケーキ+グラ足しで、食べごたえと彩りを
 人気のパンケーキも、グラノーラを混ぜ込んで焼けば、穀物の粒感やカリッとした食感、フルーツの酸味・甘みが加わり、いつもとは違う贅沢な一品に。

・カレー+グラ盛りで、スパイスと甘みのコンビ
 穀物やフルーツ、ナッツは元々カレーとよく合うもの。クミンなどスパイスの香りや、カレーの辛みとのコンビネーションは、試す価値あり。

(ライター 村田裕美、構成 堀田恵美)

[日経ヘルス2013年5月号の記事を基に再構成]

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