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グリー、未成年者に超過課金 「後手の対応」の背景

7日、モバイル向け大手ゲームサイト「GREE」を運営するグリーが、未成年者に対して設定していた課金上限額を上回る請求をしていたと公表し、陳謝した。超過課金があったのは2012年4月から9月。対象者は延べ733人で、超過分の請求金額の合計は約2811万円。超過分は利用者に返金するとしている。

7日朝、グリーはGREEの「お知らせ」やプレスリリースを通じ、超過課金の事実を公表した

未成年者の課金上限額は、昨年4月、グリーが自主的に定めたもの。昨年2月、GREEの「ドリランド」というカードバトルゲームで不正に大量のカードが複製された騒動を機に、ソーシャルゲームが持つ「射幸性」や、ネットオークションを介した「換金市場」の存在があらわになり、ソーシャルゲームの健全性が社会問題化したという背景がある。

「子どもが数十万円を使ってしまい、請求がきて困っている」といった相談も相次ぎ全国の消費生活センターなどに寄せられていたことから、グリーは健全化策の一環として、未成年者の課金上限額を「15歳以下のユーザーは月間5000円まで、16~19歳は月間1万円まで」としていた。この施策の一部が、昨年9月まで実施できていなかった。

「影響は限定的」と公表せず

グリーによると、昨年9月6日、カスタマーサポート部門が利用実態を調査した際、未成年ユーザーの中に、上限金額を超えて決済している人がいることが発覚。調査を進めたところ、フィーチャーフォン利用者のうちクレジットカード決済を選択したユーザーについて、上限設定がきかないミスがあることが分かった。

この問題は即日、田中良和社長ら経営陣に報告され、プログラム修正などの対応は翌7日までに完了したという。グリーでは、「クレジットカード決済は未成年者では1%程度であり、影響は限定的」と判断。対外的に公表することはなく、自主的な返金もしてこなかった。

それがなぜ、ここにきて公表と返金という流れに変わったのか。きっかけは、1人のブロガーだった。

 昨年12月25日、この問題を知った著名ブロガーの山本一郎氏は、グリー広報窓口に対して、以下のような質問状を送っていた。

「消費者庁に寄せられた貴社サービスに対します被害の申し立て等におきまして、未成年者に対します課金決済額の上限額が設定されていないようだという問題が寄せられているようです」――。

「再発防止プランとあわせて記者発表すべき性質のもの」

3日後の28日、グリーはこの質問状に対し、おおむね事実関係を認める返答をしてきたことから、山本氏は自身のブログや、有料のメールマガジンなどで、「GREE、未成年者課金上限設定ミスを半年以上隠蔽か」といった記事を配信。公に知られることとなった。

グリーの仕事始めは4日。この頃から、山本氏のブログ記事で問題を知ったメディア各社からの問い合わせが相次ぎ、7日朝には各社が報道することが確定的となった。そこでグリーはプレスリリースを公表することにした。「未成年の利用金額制限設定時に発生した一部障害に関するお詫びとお知らせ」と題されたプレスリリースは、通常の発表時間とは異なる朝8時台だった。

山本氏はメールマガジンで「本件についてはグリー幹部の意見によって隠蔽されてしまいました」と、隠蔽体質を問題視している。「対外的に発表された未成年者対策が『実際には行われていなかった』という重大なコンプライアンス違反であって、当然社内処罰やチェック体制の強化など再発防止プランとあわせて記者発表すべき性質のもの」

ソーシャルゲームには、未成年者に適切かどうかが疑われるコンテンツが氾濫している(画面はGREE)

本業の健全化は……

後手の対応となった未成年者保護対策。グリーも7日朝のプレスリリースで、「障害が発生し、また情報開示が遅延したことで、お客様をはじめとする関係者の皆様に対し、ご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と陳謝している。

この3日前の年明け4日、自ら樽(たる)酒を社員にふるまうなどの社員新年会に参加した田中社長は、同日に公開した「年頭所感」で以下のように語っている。

「企業としての社会的責任を果たすべく、非営利分野におけるインターネット活用の推進、社会起業家の支援、2020年オリンピック・パラリンピックの東京招致活動など、社会や地域の発展に貢献する活動を行っていきます」「インターネットを通じて、世界をより良くする」――。

だが例えば、きわどい水着姿の少女に、挑発的なポーズをとるコスプレ女性。ソーシャルゲームには過激なイラストが氾濫している。オリンピック誘致もいいが、本業の健全化に向けてまだやるべきことは多い。

(電子報道部 井上理)

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