2019年7月18日(木)

ネットで暴露被害 難しすぎるプライバシー防衛
ブロガー 藤代 裕之

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2014/1/10 7:00
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2013年はネットでの炎上が相次いだ。炎上すると批判的なコメントが寄せられるだけでなく、プライバシーが暴かれ、その痕跡がネットに残り、リアルの生活にも影響する。ネットは気軽に情報発信できる場ではなくなりつつある。個人をどう守るのか、事業者も含めて具体的な対応策を構築すべき段階にきている。鍵は被害を大きくする過度な「情報統合」を防ぐことだ。

■ネットで拡大する「私刑」

情報統合で、ネットでの発言はまとめられ、個人が特定されることもある

情報統合で、ネットでの発言はまとめられ、個人が特定されることもある

大学生によるテーマパークやコンビニエンスストア、飲食店での迷惑行為、あるいは復興庁など省庁職員による発言が問題になるなどツイッターを舞台にした「炎上」が昨年は相次いで起きた。炎上の原因をネットを使う際のリテラシー欠如に求める意見があるが、学生や社員への教育を徹底すれば防げるものではない。

まず、失言や暴言の範囲はあらかじめ定義されているわけではない。誰かが問題だと思えば批判を受けることもあり得る。いくら慎重に言葉を選んでいても、何が問題になるか発信した時点では分からない。発信したことを忘れているという人も多いだろう。だが、アーカイブに蓄積された過去の発言に言いがかりをつけて「燃やす」こともできる。炎上は、攻撃はたやすいが、守るのは難しい。

炎上を正義感による行為とみれば違った側面が見えてくる。炎上する際によくあるパターンが、当事者以外からの「そのような行為は問題ではないか」という批判だ。問題を起こした人が法で裁かれる前に、人々がそれぞれの正義を振りかざしてネット上で制裁する状況を、筆者は2008年に「私刑化」と呼んだ。あるタレントをネット上で殺人犯扱いした人たちは、警察の取り調べに対して、「許せない」という正義感からそのタレントを犯人と信じ込んで批判したことが分かった。

しかし、自ら正しいと考えている事象については相対化することが難しく、冷静さも欠くため、適切に対応することは難しい。そこで、何らかの制度的な対応が求められることになる。

■手間がかかりすぎる被害回復

炎上は単一のメディアでは起きない。ツイッターが発火点だとしても、NAVERまとめ、ツイッターでの発言をまとめるtogetter、まとめブログなどに一度集約されて多くの人が見るようになる。ネットニュースサイトが素早く記事化することもある。集約された情報が、さらにツイッターやフェイスブックで拡散する。このように複数のメディアが使われ、展開のスピードは速い。誤った情報であっても一度拡散してしまえば修正は難しい。

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