脱ページビュー主義 新経済ニュースアプリの挑戦
ブロガー 藤代 裕之

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2014/5/9 7:00
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今のところ、ニューズピックスは大学生や若いビジネスパーソン、スピーダは企業内の専門家と、利用者層が違うため別の名前で展開している。将来的に両者の融合を目指している。

■ページビュー頼みは限界

記事に対してコメントが並ぶニューズピックスの画面

記事に対してコメントが並ぶニューズピックスの画面

「利用者は増えているが、ユーザー数やページビュー数を追っているわけではないのでエンタメには走らない。重要なのはユーザーからの課金モデルを作ること」と梅田氏は話す。

コンテンツに専門家が付与したコメントがニューズピックスの価値だが、同社はもともとのコンテンツを生んでいる訳ではない。新規の記事を書くにはコストがかかるため、スマートフォンのニュースアプリには一般に、コンテンツへのただ乗り批判がある。いくらページビューを誘導するからといって、ネットの広告料では取材網や記者が維持できず、内容の薄い、扇動的なコンテンツが量産されがちになるという現実もある。

「有料プランは始めたばかりで利用者は少ないが、ページビューモデルの先には未来がない。ニュースのアグリゲートだけではダメで、ちゃんとユーザーからお金をもらって、コンテンツを作る人に循環させる仕組みをつくらないと崩壊する」と、2月から8つの新聞や雑誌の購読が可能な月額1500円(税別)の有料プランを開始した。

同社では編集チームを作り独自コンテンツ作成に乗り出す予定もある。既にスピーダでは、アナリストの分析という独自コンテンツを作成している。社員は112人で、社内にアナリストは20人抱える。データを整理し、見やすく提示するプラットフォームと独自コンテンツの組み合わせを同社では「Tの字型モデル」と呼んでいる。ソーシャルメディア上に存在する多くのコンテンツをプラットフォームで再整理するとともに、存在しないコンテンツを独自に作り、差別化する戦略を立てている。

無料が中心のニュースアプリの世界に有料課金を浸透させ、良質なコンテンツを作るための環境を構築することができれば、ネットにおけるニュースの世界に新たなコンテンツ提供者を生む可能性もある。

藤代裕之(ふじしろ・ひろゆき)
ジャーナリスト・ブロガー。1973年徳島県生まれ、立教大学21世紀社会デザイン研究科修了。徳島新聞記者などを経て、ネット企業で新サービス立ち上げや研究開発支援を行う。法政大学社会学部准教授。2004年からブログ「ガ島通信」(http://d.hatena.ne.jp/gatonews/)を執筆、日本のアルファブロガーの1人として知られる。
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