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たるみに効く コラーゲンのとり方

日経ヘルス

 鶏鍋やコラーゲンサプリをとった翌朝に、ぷるんとした肌の変化や化粧のりのアップを体感している人も多いのでは。この"ぷるぷる"こそコラーゲンの美肌作用。もちろん、老化による肌のたるみにも効果を発揮します。最新研究に基づく効かせるとり方を総力取材、たるみのない肌を目指しましょう!

なぜ肌はたるむの?

(図版:いたばしともこ)

コラーゲンは、人体をつくるたんぱく質の約3分の1を占める。真皮や腱、軟骨などの結合組織の主成分で、体の中のほとんどの部位に存在する。肌では弾力や強度に関与する成分で、表皮の下の真皮層で、バネのような働きをして真皮層を支えている(図1)。ところが、25歳以降、コラーゲンは加齢とともに劣化し、減少していく。

「若々しい肌はコラーゲンの量が十分だが、加齢によってコラーゲンが減少したり、ターンオーバーが滞って質が悪くなると、弾力性も衰える」とは、コラーゲンやゼラチンの原料販売を手掛けるニッピのバイオマトリックス研究所の小山洋一主任研究員。

そこへ「表皮の厚みも若い肌の約半分に減る。重力も影響してたるみにつながると考えられる」(小山研究員)。これが肌のたるみの正体のようだ。

コラーゲンは、古いものを分解して新しいものにつくり変えながら、肌の健康を保っている。「皮膚の厚さは、男性は加齢とともに徐々に減少し、女性は60歳でさらにがくっと減るという報告もある」と話す。

コラーゲンでたるみを防ぐ

重力に負けない、ハリのある、たるまない肌をつくるには、コラーゲンをサプリメントで摂取するといいのだろうか?

「まずは、バランスのいい食事をとることが大切。コラーゲンのもととなるたんぱく質や、コラーゲンの合成を助けるビタミンCなどが必要です。その上で足りないコラーゲンをサプリで補うといい」と薦めるのは、皮膚科医で藤田保健衛生大学医学部の赤松浩彦教授。

小山研究員が実施し、赤松教授が評価に協力したヒト試験では、コラーゲン摂取後7週間で、肌の改善が見られた。40~54歳の女性65人を3群に分け、コラーゲンを小さくして溶けやすい構造にしたサプリ(コラーゲンペプチド)を1日5g群、10g群、偽サプリ群に分けて摂取してもらったところ、コラーゲンペプチド摂取群では7~8割の女性が肌のハリや潤いなど肌改善を体感した。

「肌の変化を示す客観的な数値は出なかったが、効果を実感している人が目立った。医師の間では、コラーゲンの効果を知らない人が多いので、ヒト試験の結果に関するいろいろな報告を講演などで紹介して広めているところ」と赤松教授。

コラーゲンが効くメカニズムが明らかに

これまで一般的には、コラーゲンをサプリなどでとっても、食事からとったたんぱく質と同様に消化酵素でアミノ酸に分解されるので、体内でコラーゲンだけが特に増えるわけがない、というのが定説だった。

風向きが変わったのは最近だ。摂取したコラーゲンが体内で吸収されることがわかる目印を、京都府立大学大学院の佐藤健司教授が2005年に発見、コラーゲンが体内で働くメカニズムが解明されつつある。その内容が研究者の間で知られるようになり、やがてマスコミを通じて一般にも広まった。

その目印とは、プロリルヒドロキシプロリンという、アミノ酸が2つつながったペプチドだ。佐藤教授は「プロリルヒドロキシプロリンは、コラーゲン特有のペプチドで、コラーゲンを摂取すると血中に特異的に増えることがわかった」と話す。 血中にコラーゲンが増えたメカニズムは、体内でつくられる量が増加したのではなく、摂取したものの一部が分解されてペプチドになり、体内に吸収されたものと考えられる。

では、体内(血中)に入ったコラーゲンペプチドは、どう働くのか。肌にまで届けられることは、明治・食機能科学研究所の動物実験や、ほかの研究のヒト試験で確かめられている。

ならば、このペプチドは肌のコラーゲンをつくる材料として直接使われるのかというと、どうやらそうではなさそうだ。「コラーゲンぺプチドは線維芽細胞を増やすことで、間接的にコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンの産生を促す」と佐藤教授。つまり、たるまない肌に必要な材料を作る工場ともいえる線維芽細胞に、このペプチドが活を入れることで、肌たるみに効くというわけだ。

この人たちに聞きました

佐藤健司さん
 京都府立大学大学院教授。生命環境科学研究科応用生命科学専攻、専門は食品科学。コラーゲンペプチドの機能性に詳しい。「コラーゲンを摂る際にどの飲料と組み合わせると最も血中に出やすいか探索中
です」。
赤松浩彦さん
 藤田保健衛生大学医学部教授 応用細胞再生医学講座。ニキビ治療や皮膚幹細胞の研究に注力。「ふだんからコラーゲンを摂っていると肌のたるみ予防が期待できる。コラーゲンの摂取で病気になりにくくなると医療費の削減に」。

(日経ヘルス 大屋奈緒子・ライター 松岡真理)

[日経ヘルス2012年8月号の記事を基に再構成]

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