iPhone最大の弱点「文字入力」のイライラ解消
iPhone最大の弱点、それは「文字入力」だ。とりわけ日本語変換はライバル機と比べて、正直、だいぶ劣る。例えばアンドロイドのスマホは、日本語変換アプリを利用者が自由に選べる。しかしiPhoneは変更不可能。特に優れているわけではないiPhone標準の日本語変換アプリを使うしかない。
携帯電話から乗り換えた人も、文字入力には苦労する。携帯電話は、日本語変換がとても優秀だ。携帯電話では漢字変換モードで「あああ」と打ち込んでも、ポンと「111」という数字に変更できるが、iPhoneではできない。
いちいち日本語、英語、数字とそれぞれの入力モードを切り替える必要がある。英語の入力支援はあるものの、日本語入力ではかえって邪魔になるだけだ(図1)。

このように、iPhoneの文字入力は不親切なところが多い。根本的な改善は望めないが、キーボード設定を見直すことで、使いやすくなる。文字入力でイライラしている人は、ここで紹介するワザを試してみよう。
最初に見直すのは、利用する「キーボードの種類」だ。iPhoneには日本向けに「日本語かな」「日本語ローマ字」[注]「絵文字」「英語」という4種類のキーボードがある。地球のマークの切り替えボタンをタップするたびに変わるが、キーボードの種類が多いと、目的のキーボードになるまで何度もタップしなければならないため不便だ。
まず日本語キーボードが2種類ある必要はない。日本語の入力向けに、携帯電話のようなテンキー配列の「日本語かな」と、パソコンのキーボードのような「日本語ローマ字」の2つがあるが、2種類のキーボードを使い分けるメリットはない。どちらか1つで十分だ。
そこでお薦めしたいのが、日本語と英語、2つのキーボードに絞り込む方法。
日本語のキーボードは、かなでもローマ字でも構わない。使いやすいほうを選択しよう。こうすると切り替えボタンをタップするだけで、日本語と英語の入力が即座に切り替わる(図2、図3)。全く使わない絵文字のキーボードも表示されなくなる。


勝手に変換候補を表示…「自動修正」機能をオフ
次に見直すのは、英語の入力支援機能だ。英語の入力支援とは、先頭の文字を自動的に大文字にしたり、誤ったスペルを指摘したり、入力の途中で変換候補を表示したりする機能だ。この機能が原因で、思い通りの入力ができなくなることがある(図4)。

特に困るのは「自動修正」だ。これは「Nikkei」と入力すると、「Billie」と入力したのでは? とiPhoneが推測し、図5のように変換候補を表示する機能だ。この状態でキーボードのreturnボタンなどを押して確定すると、入力したNikkeiが正しいのにもかかわらず、勝手にBillieに置き換わってしまう。実に厄介な機能だ。こうした不要な入力支援はオフにしよう(図6、図7)。



大文字入力するときはシフトボタンを使う
英語の大文字を入力する場合も入力支援は不要だ。入力支援を使わなくても、シフト(上矢印)ボタンを使いこなせば、1文字だけ大文字にするのも、すべて大文字にするのも思いのままだ(図8、図9)。


続いてはユーザー辞書の活用。メールの冒頭に使うあいさつ文など、定型文を毎回入力するのは面倒。そこで、ユーザー辞書機能を利用して、文章を登録する。これで、「あいさつ」と入力するだけで、文章が変換候補として現れる(図10~図12)。



読みのわからない漢字もご安心を
4つ目は読みのわからない漢字を入力する裏ワザだ。これには「中国語-簡体字 手書き」キーボードを利用する。本来は中国語用だが、日本語の漢字変換もほぼ完ぺきだ(図13、図14)。


最後は、日本語変換が遅くなったときの対処法。考えられる原因の1つは変換した語句を覚え、次回に反映させる変換学習機能だ。学習内容が増えすぎたため、動作が緩慢になった可能性がある。変換の学習内容は破棄されるが、辞書をリセットすると軽快に動作する場合がある(図15)。

(ライター 原如宏)
[日経PC21編集『必ず使える! iPhone』を基に再構成]