EVタクシー時代にらみ運用実験 日本交通社長
編集委員 滝順一

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2010/6/9 9:00
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――使ってみて難しいのは、1回充電当たりの走行に限りがあることですか。

川鍋一朗・日本交通社長

川鍋一朗・日本交通社長

「1回のフル充電で約160キロしか走らないので、1日に3、4回充電ステーションに戻る必要がある。液化石油ガス(LPG)なら1回で済んでいた。乗務員にとってはわずらわしい。現在、乗車しているのは、ハイブリッド車のプリウスのタクシーで経験を積んだ9人のベテランドライバーだ。彼らがどこまで走れるか、充電と休憩の時間をどう組み合わせて、営業効率をあげるか、経験を蓄積しているところだ」

「燃料切れになるのを避けるセーフティーネットは用意した。3台の蓄電量はドライバーはもちろん、社長の私も携帯電話で見られるようになっている。『そろそろ危ないぞ』と感じたら連絡できる。EVは加速や運動性能などでは既存の車に遜色(そんしょく)ない。だからこそ運用経験を積むことが重要になる」

――タクシー業界のEV普及ペースをどうみていますか。

「今年秋に日産自動車がEVの『リーフ』を発売する。これも導入し試してみたい。今後、様々なEVが登場し、3~5年は試験的段階が続くだろうが、2015年あたりから新車はすべてEVになってもおかしくない。タクシー車両は6~7年が寿命だから、当社のタクシー約3000台、ハイヤー約1000台が20年過ぎにはすべてEV化したとしても非現実ではないだろう」

「これはハイブリッド車を導入した経験から言える。プリウスのタクシーも森ビルの依頼で六本木ヒルズの拠点から導入を始めた。利用者に好評でドライバーも経験を積んだので、5年間で新車はすべてハイブリッド車になった」

「その経験から言えば、EV化の最大の課題は乗務員の意識改革だ。EVの場合は、営業所に戻る回数が多いので営業距離が短くなり、乗務員の給与に響く。EVに乗る人には手当を多めにするなどの配慮が必要だし、EV化で燃料費が節約できたら、乗務員に還元するようなことも考えなくてはいけない」

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