ドコモが繰り返すスマホ障害、"通信品質"の看板揺らぐ

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2012/8/7 16:56
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この影響は、国内通信に利用している「IP-SCP」と呼ぶサービス装置にも及んだ。IP-SCPの信号処理能力が大幅に低下したことで、ユーザーの端末は圏外表示になるなどつながりにくくなる事象が、2日の18時15分から19時42分までの約1時間半続いた。障害の範囲は全国に及び、最大で145万人が影響を受けた。

■新体制となったドコモに痛手

今回発生した不具合について説明するNTTドコモの岩崎文夫副社長

今回発生した不具合について説明するNTTドコモの岩崎文夫副社長

今回のトラブルは、6月に加藤薫氏が社長に就任し、新体制となったドコモにとって大きな痛手となる。昨年から今年初めにかけて頻発した通信障害を受け、社長を本部長とする「ネットワーク基盤高度化対策本部」を設置。「設備及び体制の総点検」などを進め、組織・業務・設備を見直し、3月末に総務省に報告して以降はトラブルが発生していなかった。

しかし今回、短期間に2度の障害を起こしたことで、同社の「総点検」に漏れがあったことを露呈したといえる。7月25日のトラブルは「範囲としては総点検の中に入っていたが、(誤ったファイルで更新しない手順を盛り込むなど、点検の)深さは不十分だった」(岩崎文夫副社長)と認めている。また他社のネットワークとの接続による回線異常が影響することまでは「予測できなかった」(同)という。

NTTドコモは、米アップルの人気商品「iPhone」を扱うKDDIとソフトバンクモバイルとの競争で苦戦を強いられている。通信高速化ではLTEサービスをいち早く開始するなど先行していたが、年内にはソフトバンクとKDDIもLTEの商用サービスを導入する。通信サービスのエリアの広さでは依然強みを持つが、後発の2社もインフラ整備を急ピッチで進めている。

他社との競合の中で、ドコモは「安全・安心、『つながる』を使命として取り組んできた」(岩崎副社長)。実際ユーザーからも"通信品質"は支持されてきたが、一連の障害によってその信頼は大きく揺らいでいる。7日の記者会見でも「ドコモには不具合を繰り返す根本的な問題があるのではないか」との質問が出るなど、急増するスマホに対応できない技術面、組織面での問題がクローズアップされている。

岩崎副社長は「(ユーザーからの信頼を再び得るためには)実績の積み上げで応えるしかない」と苦しい発言に終始した。国内のスマホユーザーは現在、3000万前後に達し、年度内に5000万に近づく勢いで伸びている。通信システムはより複雑になっており、技術的な対応も難しさを増している。ドコモは背水の陣でインフラを構築・運用する必要がある。

(電子報道部 松本敏明)

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