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渋谷駅にツインタワー計画、都内一なるか

渋谷駅で始まった再開発で、新しい駅ビルはJR線を挟んだ東西2棟のツインタワービルとして計画していることが分かった。このうち東棟は渋谷の新しい象徴として、高さを250m級にすることも検討。実現すれば、240m台の都庁第一本庁舎やミッドタウン・タワーを抜いて都内一の高さとなる。2015年度の着工を目指す。

駅周辺では2010年から16年をかけて、駅や駅ビル、駅前広場を造り替える事業が始まっている。2013年4月以降、駅の東側で工事が本格化する。東京急行電鉄東横線の渋谷駅は同年3月までに地下に移す。また、東急百貨店東横店が入居している現駅ビルは、3館のうち東館が同年3月で営業を終了し、解体に入る。

新駅ビルは「渋谷駅街区」として再開発を進める。東棟・西棟ともに国道246号沿いに建て、2棟を中層棟でつなぐ。1階にはJR線の改札口を設置。バス乗り場や歩道などをピロティに設けるほか東西自由通路も確保する。3階にもJR線の改札口を設け、新駅ビルへの入り口とする。中層階には東急百貨店の商業施設など、高層階にはオフィスなどの設置を検討している。

渋谷駅周辺を南側から見たスカイラインのイメージ。駅街区を頂点とした象徴性のあるスカイラインを形成する。新駅ビル(渋谷駅街区)東棟は250m級、同西棟は210m級の高さを想定している(資料:渋谷区が作成した資料にケンプラッツが加筆)
渋谷駅周辺の現状の街並みイメージを、南側上空から見たところ(資料:渋谷区、以下同様)
渋谷駅周辺の将来の街並みイメージを、南側上空から見たところ。新駅ビル西棟は容積率や高さが現時点で流動的であり、ぼんやりと描いている

事業主は東急電鉄、JR東日本、東京メトロの3社だ。設計には日建設計が参加している。東急電鉄と都市再生機構が実施する土地区画整理事業によって、敷地形状を北から見てT字に整えたうえで建設する。現在、事業者間で詳細を調整中だ。

駅ビルの敷地は都市計画上、900%の容積率が許容されている。敷地面積は、JRの線路・ホームなどを合わせて約1万5300m2(平方メートル)。延べ床面積は、許容容積率に基づくと約14万m2にとどまるが、特区の制度を使えば20万m2以上にすることも可能になる。

都市再生特別措置法では、指定地域内で都市再生や公共貢献が見込める建築計画に対して、都市計画法で定めた容積率などの制限を個別に緩和する特例を認めている。民間事業者が提案し、自治体が審査する。渋谷駅周辺では、139ha(ヘクタール)が都市再生緊急整備地域に指定されており、同制度を使って渋谷ヒカリエが建てられた。新駅ビルも同制度の申請が見込まれ、計画を詰める段階で西棟の容積率や高さを調整する。

建築物の高さは、航空法でも制限を受け、都内では羽田空港(東京国際空港)に近いほど高さが抑えられる。渋谷駅は空港の中心(標点)から13.6kmほど離れているものの、本来なら高さが230m程度に制限される。ただし、同法施行規則で特例を設けており、標点から4km以上離れた場所では、制限を超えた建築も可能だ。

渋谷駅の造り替え工事は、東側が先行する。東京メトロは2011年から、東急百貨店内に設けてある銀座線渋谷駅ホームを、東側の広場・道路上空に移設する工事に入っている。

2014~2015年に周辺3地区でも着工へ

東急百貨店東館や東口広場の地下を流れる"渋谷川"については、東京都が2009年に都市計画変更を実施。同館を含む約250mの区間を河川から下水に変更した。今後、流路を変更し、雨水貯留槽を設ける。新駅ビルは直下にこの下水が通るものの、河川ではなくなったことで法規上の制限を受けにくくなった。

このほか渋谷駅周辺では3地区で大型再開発を控えている。

2012年度中に地下化する東横線の路線跡地「渋谷駅南街区」は、東急電鉄が中心となって約1haを再開発。オフィスと商業施設から成る超高層ビルを建てる。渋谷の中心街とは国道246号で隔てられているものの、東京国道事務所が整備予定の地下広場を介してつなげる予定だ。副都心・東横線の渋谷駅ともつなげる。着工は2014年度、竣工は2017年度を予定。高さは180m級を想定している。

南街区の西側「渋谷駅桜丘口地区」では、東急不動産が取りまとめる再開発組合が約1.5haにオフィス・商業施設・住宅から成る施設を建てる。同地区の中央には都市計画道路が貫く。区施行の優先整備路線に選定されており、2015年度までに幅15mの道路を整備する。細分化された土地をなるべく整形にするため、より多くの地権者に参加を呼びかけている。都市計画道路の東側に高さ140m級を想定した高層棟、西側に中層棟を建てる。南街区同様、地下で渋谷駅とつなげるほか、JR線の駅出口も設ける。2015年度の着工を目指す。

さらに、駅西口の東急プラザ周辺の「道玄坂1丁目駅前地区」も建て替える。東急不動産が取りまとめる再開発組合が約0.6haを整備する。国道246号から駅西口への入り口に位置することから、建物1階部分の一部を交通広場などに充てる。建築物の高さは160m級を想定しており、2014年度の着工を目指す。

渋谷区は2011年10月、「渋谷駅中心地区基盤整備方針(案)」を公開した。これまで住民、企業、行政が一体となって作成してきた街づくり指針に基づいて、計画をより具体的に示している。整備方針に沿って再開発が進むよう、区が事業者に対して働きかけていく。

渋谷駅周辺の現状の平面図。人と車の動線が入り乱れている
渋谷駅周辺再開発の将来計画平面図(地上部)。動線を短くしたり駅前を広げたりすることで、人中心の空間にする
渋谷駅周辺の再開発スケジュールのイメージ。2014~15年度に4街区の開発が始まる

(ケンプラッツ 高槻長尚)

[ケンプラッツ 2012年3月7日掲載]

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