国際標準化と認証、「健全な市場を育成」「研究開発と一体化」
日本を元気にする産業技術会議

2012/8/23 7:00
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「健全な市場を育成」/「研究開発と一体化」

産業技術総合研究所が主催する「日本を元気にする産業技術会議」(後援・日本経済新聞社)は22日、東京都内で「新技術の認証を視野に入れた標準化推進」をテーマにシンポジウムを開いた。最先端技術のいち早い認証を通じ、新産業を育成したり市場を整備したりする重要性などで一致した。

国内の標準化・認証の取り組みについて議論した

国内の標準化・認証の取り組みについて議論した

シンポではまず産総研の野間口有理事長が「国際標準化・認証の重要性は全産業で高まりつつある」と強調した。また、液晶テレビなどでは技術の優位性が薄れ、日本メーカーの苦戦につながっているとの声があることを披露し、「標準化する領域とクローズにする領域を戦略的に定める必要がある」と説いた。

基調講演した東京理科大学の藤嶋昭学長は、光と酸化チタンなどを使ってガラスや空気の汚れなどを分解する光触媒の性能評価法を日本工業規格(JIS)化した取り組みを紹介。「標準化により性能の不十分な製品が出回ることをけん制し、健全な市場を育成できる」と話した。

パネル討論では日本国内の標準化・認証の現状と課題などに触れた。経済産業省の山内徹・認証課長は「これまで日本では研究開発と標準化・認証作業が別個に考えられてきた」と指摘。再生可能エネルギーやロボットの国家プロジェクトには研究機関だけでなく認証を担う組織も参加すべきだと訴えた。

交通安全環境研究所の水間毅理事は自動車の認証業務に取り組む同研究所の活動を報告するとともに、鉄道関係の認証機関が国内に存在しないことに言及した。「メーカーは海外の機関を利用しなければならず多大なコスト・手間がかかる」と述べ、今後は同研究所が鉄道の認証も担い、鉄道産業の海外進出を後押しする意向を示した。

また、浮体式風力発電の国際標準策定のプロジェクトチームに参加する日本海事協会の高野裕文・風車認証事業室長は、注目が高まっている風力発電の普及を制度面で支えていく方針を明らかにした。一方、パナソニックの梶屋俊幸・技術品質本部参事は「スマートグリッド(次世代送電網)などが登場しシステム全体としての評価が必要になっている」と主張した。

パネル討論のモデレーター(司会)は滝順一・日本経済新聞社編集委員が務めた。

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