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高精細「8K」放送、CATVで KDDIら実現にめど

新圧縮方式を開発、まず商業施設向けで実用化

KDDI、KDDI研究所、ジュピターテレコム(JCOM)の3社は6日、「スーパーハイビジョン(8K)」と呼ばれる超高精細の映像を、JCOMのCATV網で伝送する実験に成功したと発表した。KDDIが開発した映像の圧縮方式を使うことで、スーパーハイビジョンと現行の解像度の映像を同時に伝送でき、現在使用しているCATV網の改修も不要とする。

まずは競技場や映画館など商業施設向けの映像配信で実用化を目指す。総務省やCS放送事業者、テレビメーカーなどが超高精細のテレビ放送の実現に向けた準備を進めているのに合わせ、将来のCATVでの超高精細放送に備える。

2K、4K、8K映像を同時に伝送可能

KDDIとJCOMによるスーパーハイビジョン(8K)映像の伝送実験。8K(左)、フルハイビジョン(2K=中)、4K(右)という3種類の解像度の映像を同時に伝送できる(6日、東京・千代田)

スーパーハイビジョンは、縦横の最大画素数がそれぞれ現行のフルハイビジョンの4倍となる。フルハイビジョンは横方向の画素数が約2000画素であることから「2K」、スーパーハイビジョンは同約8000画素であることから「8K」とも呼ばれる。総務省は、2016年のリオデジャネイロ五輪に合わせて8Kの実用化試験放送を始める計画だ。

このほか計画中の超高精細放送としては、2Kと8Kの中間となる同約4000画素の「4K」もある。総務省は14年7月にもCS放送で4Kの放送を始めることを検討しており、シャープやソニー、東芝などのテレビメーカー各社も4K対応テレビの製品化を始めている。

今回の8K映像の伝送実験では、KDDIとKDDI研究所が開発した独自の映像圧縮技術を採用した。同技術では、解像度の大きい8Kに合わせて圧縮アルゴリズムを見直し、現行の圧縮方式より8Kでの圧縮率を高めた。また2K、4K、8Kの3種類の映像をまとめて圧縮し、放送局側で2K映像のデータと4K用の差分データ、8K用の差分データを生成し伝送することも可能にした。この場合、テレビ側で4K映像を表示する際は2K映像の、8K映像の再生時は4K映像のデータを参照しつつ、不足する情報は差分データを基に補間して映像を復元する。2K、4K、8Kの3種類の映像で類似した情報を省けるため、伝送するデータの量を従来の圧縮方式よりも大幅に減らせるという。

KDDIが開発した独自の圧縮方式では2K、4K、8Kと3種類の解像度の映像情報を内部に持てる。この場合、4Kと8Kは全ての映像情報を持つのではなく、低い解像度との差分情報のみに絞り、それぞれの映像情報を持つ場合に比べデータ量を大幅に減らせる(KDDIの発表資料から)

 KDDIによると、今回開発した独自方式で8Kの映像を伝送するのに必要なCATVの帯域幅は毎秒70メガビット(Mbps)で済む。現在広く普及している圧縮方式「H.264」方式では8K映像の伝送に160Mbpsかかり、国際標準となっている圧縮方式の中で最新の「HEVC」でも80Mbpsが必要という。

今回の技術ではさらに、8K映像と同時に4Kや2Kの映像も伝送できるため、2K放送から4K、8K放送への移行もしやすいという。ただし2K、4K、8Kを合わせて伝送する場合は、必要な帯域は8K単体の場合よりも増え、90Mbpsとなる。KDDIでは開発した圧縮方式を標準化団体へ提案する意向で、超高精細放送の標準の圧縮方式として普及を目指す。

CATV網「8K対応への改修不要」

今回の実験では、JCOMがCATV網で提供しているインターネット回線を使い、東京・千代田のJCOM本社と東京・練馬の技術拠点の間で8K映像を伝送した。「ケーブルモデムなどの設備は既存のものをそのまま使えるほか、データ量も現状のCATV網の空き帯域に収容可能な範囲であり、CATV網を改修せずすぐに8K放送に対応できる。当社以外のCATV事業者でもほぼ同様に対応可能だろう」(JCOMの山添亮介取締役技術部門長)

もっともJCOMでは、一般消費者向けの8K放送を早期に始める予定はないとする。「8Kに対応した映像素材やテレビの普及を見計らう必要があり、現段階で具体的な8K放送の開始時期は見通せない」(山添取締役)。当面は、競技場や映画館などの商業施設にスポーツなどの映像を中継する、パブリックビューイングを主な用途として実用化を目指す。その上で、圧縮方式の標準化への働き掛けと、JCOM系列の各CATV事業者における伝送実験などを並列で進め、将来の8K放送の本格化に備える方針だ。

(電子報道部 金子寛人)

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