2019年2月23日(土)

高精細「8K」放送、CATVで KDDIら実現にめど
新圧縮方式を開発、まず商業施設向けで実用化

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2013/2/6 20:44
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KDDIが開発した独自の圧縮方式では2K、4K、8Kと3種類の解像度の映像情報を内部に持てる。この場合、4Kと8Kは全ての映像情報を持つのではなく、低い解像度との差分情報のみに絞り、それぞれの映像情報を持つ場合に比べデータ量を大幅に減らせる(KDDIの発表資料から)

KDDIが開発した独自の圧縮方式では2K、4K、8Kと3種類の解像度の映像情報を内部に持てる。この場合、4Kと8Kは全ての映像情報を持つのではなく、低い解像度との差分情報のみに絞り、それぞれの映像情報を持つ場合に比べデータ量を大幅に減らせる(KDDIの発表資料から)

KDDIによると、今回開発した独自方式で8Kの映像を伝送するのに必要なCATVの帯域幅は毎秒70メガビット(Mbps)で済む。現在広く普及している圧縮方式「H.264」方式では8K映像の伝送に160Mbpsかかり、国際標準となっている圧縮方式の中で最新の「HEVC」でも80Mbpsが必要という。

今回の技術ではさらに、8K映像と同時に4Kや2Kの映像も伝送できるため、2K放送から4K、8K放送への移行もしやすいという。ただし2K、4K、8Kを合わせて伝送する場合は、必要な帯域は8K単体の場合よりも増え、90Mbpsとなる。KDDIでは開発した圧縮方式を標準化団体へ提案する意向で、超高精細放送の標準の圧縮方式として普及を目指す。

■CATV網「8K対応への改修不要」

今回の実験では、JCOMがCATV網で提供しているインターネット回線を使い、東京・千代田のJCOM本社と東京・練馬の技術拠点の間で8K映像を伝送した。「ケーブルモデムなどの設備は既存のものをそのまま使えるほか、データ量も現状のCATV網の空き帯域に収容可能な範囲であり、CATV網を改修せずすぐに8K放送に対応できる。当社以外のCATV事業者でもほぼ同様に対応可能だろう」(JCOMの山添亮介取締役技術部門長)

もっともJCOMでは、一般消費者向けの8K放送を早期に始める予定はないとする。「8Kに対応した映像素材やテレビの普及を見計らう必要があり、現段階で具体的な8K放送の開始時期は見通せない」(山添取締役)。当面は、競技場や映画館などの商業施設にスポーツなどの映像を中継する、パブリックビューイングを主な用途として実用化を目指す。その上で、圧縮方式の標準化への働き掛けと、JCOM系列の各CATV事業者における伝送実験などを並列で進め、将来の8K放送の本格化に備える方針だ。

(電子報道部 金子寛人)

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