未来の家は「見守りロボット」、無線で人の状態把握

(1/3ページ)
2014/1/8 7:00
保存
共有
印刷
その他

「人を見守る家」が実現されつつある。センサー、スマートデバイスといった電子機器やICT(情報通信技術)を活用する、健康管理や防犯の仕組みを備えた家だ。その先には、住民の生活を支えるサービスと連携した街が実現される。一連の健康情報を自動的に収集・蓄積し、体調が悪い時にはオンラインでかかりつけの医師に相談できる、といった具合である。

奈良県葛城市では2013年12月、「健康みはり」というサービスをベースにした街づくりが動き出した。推進しているのは奈良女子大学の梅田智広特任准教授らのグループ。健康みはりについては、天気情報提供サービスのライフビジネスウェザーとともに開発を進めている。

健康みはりでは、利用者の各種のバイタルデータ(生体情報)を収集・管理し、利用者がタブレット端末で参照できるようになっている(図1)。収集するバイタルデータは、体重、体温、血圧、血糖、心拍、活動量など。家の中に設置した測定器やセンサーで、これらを測ると、データがクラウドに登録される。

図1 健康みはりアプリの画面。体調についての情報を入力すると、健康に関するアドバイスが得られる

図1 健康みはりアプリの画面。体調についての情報を入力すると、健康に関するアドバイスが得られる

家そのものがロボットのように、住人を見守ってくれる。「突然死を含めて、病気には、頭が重いなど、何となく体調が悪いという症状(不定愁訴)が必ずある。データを収集すれば、この前兆を見つけ、発症に備えられる」(奈良女子大学の梅田氏)。

■呼吸の様子を無線で把握

図2 電波による見守りセンサーを使ったマンション。電波を使って人や動物、モノの様子を把握する

図2 電波による見守りセンサーを使ったマンション。電波を使って人や動物、モノの様子を把握する

ただ、バイタルデータを収集する場合、利用者が決まった時間に測定するか、センサーを貼り付けた衣類を着用する、もしくは身体の一部にセンサーを貼り付ける必要がある。こうした負担や、身体へのセンサーの接触を嫌う人は少なくない。そこで検討されているのが、電波を利用した見守りである。

梅田氏が取り組んでいるのは、寝ている人の呼吸の様子の把握だ(図2)。天井にアンテナを埋め込んで24GHz帯の電波を発し、モノの位置やその変化をとらえる。天井から2~3メートル下でも2~3ミリの高さの変位を区別できるため、呼吸の様子を判別できるという。呼吸の荒さなどはもちろん、睡眠状態にあるかどうかまで把握できる。

この電波によるセンシングは、2013年12月にスタートした神奈川県相模原市のさがみロボット特区プロジェクトでの実証内容だが、将来的に葛城市のプロジェクトにも組み込んでいくという。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]