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「連携すれば世界で戦える」、日韓IT関係者が会議

パネル討論には日本側からは情報サービス産業協会(JISA)の浜口友一会長(右から2人目)と総務省の谷脇康彦情報流通行政局官房審議官(中央)、イーコーポレーションドットジェイピーのヨム・ジョンスン(廉宗淳)社長(右端)が登壇

日本と韓国の政府・公共分野におけるIT(情報技術)活用の課題や国際連携の可能性について議論する「日韓情報サービス産業協力カンファレンス」が2013年4月5日に韓国・ソウルで開かれた。日韓の政府・IT業界関係者が集結し、意見交換を重ねた。

基調講演に登壇した忠北大学のキム・サンウク教授は、電子政府の推進度合いで世界トップレベルにある韓国の取り組みについて、「過去25年間にわたってIT投資を継続し、粘り強く取り組んできた成果だ」と説明した。「情報システムは生き物のようなものであり、持続的に投資をしながら強化させていかなければならない。継続性が大切であり、一朝一夕には実現できない」と続けた。

電子政府成功のポイントについて、キム教授は「政府トップの直接的な関与にあった」と分析した。「政府トップはプロジェクトを支援するだけでは足りない。コミットメントすることが大切だ」とした。「投資も重要である。韓国では政府のIT予算を年平均9%増やしている」と述べた。

韓国情報化振興院のキム・ソンテ院長は、「これからのスマート社会を実現していくにあたって、その最大の原動力は国民一人ひとりの創造力にある。政府のシステムには、国民の創造力を生かして行政サービスの向上と行政コストの削減を実現するような発想が求められる」と話した。

韓国ソフトウエア産業協会のチョ・ヒョンジョン会長は「日韓のIT企業は、お互いに強みを持ち寄ることでもっと成長できるはずだ。世界で戦えるソフトウエアを共に開発・提供し、世界で存在感を発揮させていきたい」と語った。

日本からは省庁間の情報連携基盤を説明

日本からは総務省の谷脇康彦情報流通行政局官房審議官が登壇し、省庁間の情報連携の仕組みである「情報流通連携基盤」の必要性について説明。「東日本大震災によって、行政や医療など様々な分野の情報を連携する必要があるとの教訓を得た。オープンデータやセンサー活用などによって様々なデータを蓄積し、それらのデータ間の相互依存関係を解析することで、社会課題の解決や未来予測につなげていきたい」と述べた。「行政や医療、教育、農業といった分野で、クラウド導入によってICT(情報通信技術)の利活用を推進していきたい」と続けた。

カンファレンスでの講演の様子。日韓両国から約60人が参加した

パネル討論では、情報サービス産業の魅力を高めるための方策やIT人材の育成策などについて議論した。韓国では情報サービス産業の就職人気が低下しているという。仕事が厳しい、長時間労働が多い、といったイメージがあるようだ。日本でも同様の指摘があるが、この点について情報サービス産業協会(JISA)の浜口友一会長は、「情報処理推進機構(IPA)の調査によれば、回答者の9割が『やりがいのある仕事だ』と答えている」と述べた。浜口会長は「女性活用といったダイバーシティ推進の観点からしても、残業時間の削減といった労働管理は、産業の育成のためにも大切だ」と話した。

韓国ソフトウエア産業協会のパク・ギョンチョル副会長は、「日本と韓国に中国を含めた北東アジアには世界で最も優れた人材がいる。ソフト産業は米国や欧州の企業の活躍が目立っているが、日韓のIT企業が連携すれば、欧米を凌駕することができると思う」と期待を込めた。

同カンファレンスはイーコーポレーションドットジェイピーが企画を担い、JISAと韓国貿易協会、韓国ソフトウエア産業協会の協力を得て日経コンピュータ誌と韓国・電子新聞社が共催した。日本からはIT企業の公共部門責任者など15人程度が参加し、韓国側からは40人前後のIT関係者が聴講した。

(日経コンピュータ 大和田尚孝)

[ITpro 2013年4月5日掲載]

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